早くも5月1日からクールビズがスタート!

現在真っ只中のゴールデンウィークが終わると新緑の季節となり、ここから初夏に向かうまでの数週間が1年で一番過ごしやすい季節と言われています。しかし、今年は桜の開花も例年になく早く、4月後半は全国各地で連日のように夏日となるなど、(4月としては)記録的な“暑さ”になったようです。

そして、5月1日からは環境省を中心に早くもクールビズがスタートしました。6月1日から導入する企業も少なくないようですが、そこから10月末までクールビズが続くことになります。

クールビズが始まると、あの暑苦しい真夏を思い起こす人も多いのではないでしょうか。

クールビズの正式な定義・内容はあるのか?

ところで、クールビズって何のことでしょうか?

実は、クールビズにはガチガチに決められた定義はありません。一応、夏期に行われる環境対策などを目的とした衣服の軽装化キャンペーンを意味しているようですが、実態としては“ノーネクタイ、ノージャケットのカジュアルなビジネスウェア”と考えていいでしょう。そして、実質的には男性のみが対象になっていると思われます。

10数年前は真夏でもネクタイをキチッと締めるのが当然だった

男性サラリーマンの中には、“クールビズのおかげで、昔に比べれば夏の暑さもしのぎやすくなった”と感じている方も多いと推察されます。

今から10数年前までは、どんな酷暑でも社内・社外を問わず、男性会社員はネクタイ着用が当然でした。誰一人、少なくとも表立っては愚痴一つこぼさずにネクタイを着用していたのです。

真夏に喉元を締め付けるネクタイのあの苦しさは、女性に理解してもらうのは難しいかもしれません。あの苦しさから解放されるだけで、少なくとも気分的には涼しくなるのは確かでしょう。

クールビズの本格導入は小泉政権が旗振り役となって2005年から

さて、今では当たり前となった夏季期間のクールビズですが、本格導入されたのは2005年(平成17年)からです。当時の小泉政権が旗振り役となり、多くの国会議員や地方議員にも“奨励”したことで、日本社会に根付くきっかけとなりました。

しかし、この新しいドレスコード(服装基準)が認知されようとした2005年6月、日本ネクタイ組合連合会が当時の小泉首相、および各閣僚に抗議声明文を提出しています。

ご記憶にある方もいらっしゃるでしょう。声明内容は正確に覚えていませんが、“クールビズの影響でネクタイの売上が減少する”というものだったと記憶しています。すると、小泉首相は“これをビジネスチャンスに変えてほしい”という内容の返答をしたと、筆者は鮮明に覚えています。

いずれにせよ、日本ネクタイ組合連合会が、クールビズの浸透に深刻な危機感を持ったことは確かです。あれから12年強が経過していますが、実際にネクタイの需要はどうなったのでしょうか。

クールビズ導入後、ネクタイ需要は恐ろしいほど激減