国家公務員と聞くと「給与が高い」「退職金を多くもらえる」という印象が強いことから、老後も悠々自適な生活を送れると考えている人も多いでしょう。
しかし、人事院が公表した最新の統計では、定年退職をした国家公務員の83.3%が「定年退職後も働きたい」と回答しています。
定年後も働きたい理由として、8割以上の人が「日々の生計維持のために必要」と回答しており、元公務員であっても「老後の生活が苦しい」と感じている人が多いことがうかがえます。
では、公務員の老後生活の実情はどのようになっているのでしょうか。
本記事では、国家公務員の老後生活の状況について、最新の調査結果を用いながら紹介していきます。
平均的な世帯の家計収支や、年金の平均月額なども紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. 国家公務員の定年時の退職金はいくら?
国家公務員の老後生活の状況を確認する前に、まずは国家公務員の定年時の退職金から見ていきましょう。
内閣官房内閣人事局の「退職手当の支給状況」によると、定年時の国家公務員の退職金は下記のとおりです。
- 常勤職員:2112万2000円
- うち行政職俸給表(一)適用者:2111万4000円
常勤職員、うち行政職俸給表(一)適用者ともに、定年時の退職金は平均2000万円以上となっています。
勤続年数や退職理由によって定年時の退職金は変動しますが、30年以上勤続し、定年を理由に退職をした場合は、2000万円以上の退職金を受け取れる可能性が高いといえます。
老後2000万円問題が騒がれている近年では、退職金として2000万円も受け取れれば「老後生活は安泰」と感じてしまいますが、実際はどうなのでしょうか。
次章にて、国家公務員だった人の老後生活の実態について見ていきましょう。