しかし、博多うどんは着実に全国区になりつつあります。そのきっかけは、福岡県出身の人気タレントであるタモリ(敬称略)による思い入れの強い“宣伝”です。
NHKの高視聴率番組「ブラタモリ」でも再三に渡って「うどんは博多に尽きる」「博多うどんは飲み物です」と言及したことから、博多うどんに対する関心が一気に高まったと考えられます。
また、博多うどんは歴史が古いようで、1200年代半ばに中国から現在の福岡県に伝わった「うんとん」が、日本の最初のうどんと言われています。現在、日本各地で食されているうどんの原形に近いのが博多うどんというわけです。
タモリ曰く「博多うどんは飲み物です」
博多うどんの特徴は、その“コシ”の柔らかさ(弱さ)です。これは、ただ単にコシがないというのではなく、出汁と麺の独特な柔らかさは、タモリが常に力説する「博多うどんは飲み物です」という表現がピッタリ当てはまります。
これを実感してもらうためには、やはり、一度食するに限ります。
讃岐うどんと博多うどんの特徴の違い
ここまで読んでお分かりの通り、讃岐うどんと博多うどんの特徴には大きな違いがあり、とりわけ、“コシ”の強弱に関しては正反対です。その他、以下のような特徴の違いがあります(注:筆者の体験に基づいた感想です)
讃岐うどんの特徴
- 店によって違う“コシ”の強さ、歯応え・食べ応え
- 温麺も冷麺も十分堪能できる
- 好みの天ぷらをチョイスする冷ざるうどんの人気が高い
- つゆは出汁の効いた濃い目の醤油味
博多うどんの特徴
- “コシ”の柔らかさ
- 温麺の人気が高い
- ごぼう天を載せた温かけうどんがスタンダード
- つゆは出汁の効いた薄口醤油味で透明
当面は博多うどんの都心での展開戦略に注目
圧倒的と言っていいほどの知名度・人気を誇る讃岐うどんに対して、博多うどんのプレゼンスが急速に高まってきたのが現在の“うどん市場”の勢力図でしょうか。今後の注目点は、「ウエスト」など博多うどんのチェーン店が東日本地域、とりわけ、東京23区内で店舗展開を強化していくのか否かでしょう。
讃岐うどんと博多うどんの“食べ比べ”が簡単にできる日が来ることを願うばかりです。
LIMO編集部