3. 「マクロ経済スライド」による年金額の調整とは?
年金は毎年「賃金変動率」や「物価変動率」などを受けて改定されます。
マクロ経済スライドという制度は、現役世代の人口減少や平均余命の伸びなどの要因を考慮して、年金の改定率を調整するための仕組みです。
これにより、名目賃金や物価の変動率に応じて年金の増額を調整し、年金制度の持続可能性を確保することが目的です。
一方で、マクロ経済スライドによる調整により、名目賃金や物価の上昇率を反映した年金の増額が抑制されることがあります。
そのため、名目賃金変動率が3.1%であるにも関わらず、2024年度の年金額の増額改定率が2.7%となったため、実質的には目減りとなっています。
ただしこのような制度設計は、年金制度の持続可能性を確保する上で重要な役割を果たしています。
少子高齢化が進む中で、年金支給額を適切に調整するためには、人口減少や平均余命の変化などの社会的要因を考慮する必要があります。
マクロ経済スライドは「年金制度の健全性を維持するために必要な制度」という側面も持ち合わせているのです。
次章からは、現代シニアが実際に受給している年金額をのぞいてみましょう。
国民年金と厚生年金の平均受給額を一覧表にしているので、参考にしてみてください。