老齢年金の平均年金月額をチェック

ここまで年齢別の平均年金月額をみました。

次に、全体の平均年金月額もチェックしていきましょう。

3.5 厚生年金の平均年金月額

厚生年金の平均月額はいくらでしょうか。厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に見ていきましょう。

厚生年金の受給額一覧表

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.6 厚生年金の平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:14万3973円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金部分を含む

全体は14万3973円でしたが、男女で月約6万円の差が出ました。

次に、厚生年金をひとりで「月額14万円以上」受給する人は何パーセントいるのかみていきましょう。

3.7 【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)

  • 1万円未満:6万1358人
  • 1万円以上~2万円未満:1万5728人
  • 2万円以上~3万円未満:5万4921人
  • 3万円以上~4万円未満:9万5172人
  • 4万円以上~5万円未満:10万2402人
  • 5万円以上~6万円未満:15万2773人
  • 6万円以上~7万円未満:41万1749人
  • 7万円以上~8万円未満:68万7473人
  • 8万円以上~9万円未満:92万8511人
  • 9万円以上~10万円未満:112万3972人
  • 10万円以上~11万円未満:112万7493人
  • 11万円以上~12万円未満:103万4254人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5662人
  • 13万円以上~14万円未満:92万5503人
  • 14万円以上~15万円未満:95万3156人
  • 15万円以上~16万円未満:99万4044人
  • 16万円以上~17万円未満:104万730人
  • 17万円以上~18万円未満:105万8410人
  • 18万円以上~19万円未満:101万554人
  • 19万円以上~20万円未満:90万9998人
  • 20万円以上~21万円未満:75万9086人
  • 21万円以上~22万円未満:56万9206人
  • 22万円以上~23万円未満:38万3582人
  • 23万円以上~24万円未満:25万3529人
  • 24万円以上~25万円未満:16万6281人
  • 25万円以上~26万円未満:10万2291人
  • 26万円以上~27万円未満:5万9766人
  • 27万円以上~28万円未満:3万3463人
  • 28万円以上~29万円未満:1万5793人
  • 29万円以上~30万円未満:7351人

30万円以上~:1万2490人

※国民年金部分を含む

厚生年金を「ひとりで月14万円以上」受給しているのは52.1%でした。

3.8 「国民年金(基礎年金)のみ」では月額平均でいくらか

先ほどの厚生年金は国民年金を含む平均月額でした。

では、1階部分の「国民年金部分だけ」の平均月額はいくらでしょうか。

国民年金の受給額一覧表

出所:出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.9 国民年金(老齢基礎年金)の受給額

〈全体〉平均年金月額:5万6316円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4426円

3.10 【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)

  • 1万円未満:6万5660人
  • 1万円以上~2万円未満:27万4330人
  • 2万円以上~3万円未満:88万1065人
  • 3万円以上~4万円未満:266万1520人
  • 4万円以上~5万円未満:465万5774人
  • 5万円以上~6万円未満:824万6178人
  • 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
  • 7万円以上~:178万3609人

国民年金のみでは5万6316円となりました。

厚生年金に比べると、国民年金のみで老後生活するのは難しいでしょう。

4. 2024年度の公的年金はいくら?

今回の改定では、前年度から2.7%の増額となり、具体的な額は以下の通りです。

  • 国民年金(老齢基礎年金):1人分で6万8000円※
  • 厚生年金:夫婦2人分で23万483円

※ただし、昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金は、1人分で月額6万7808円(前年度比+1758円)となります。

国民年金の支給額は、40年間保険料を納めた場合の満額受給額を想定しています。

一方で、厚生年金は標準的な年金額を示しており、夫が40年間会社員として43万9000円の収入があり、妻が40年間専業主婦もしくは自営業である場合を想定しています。

この「モデル夫婦」に対して、2人分の年金として23万483円が支給されます。

増額改定された2024年度の年金ですが、初回の支給日は6月14日(金)となります。

6月分の支給には、2024年度の初月である4月分と5月分が含まれるため、支給日前にしっかりと確認しておくことが重要です。

5. 老後に備えるための第一歩「年金受給額の目安」を把握しよう

今回の調査では、現在のシニア世代が受け取っている年金額を、厚生年金と国民年金ごとに、年齢別に詳細に見てきました。

国民年金に関しては、年代や性別による大きな差はほとんど見られませんでした。

一方で、厚生年金については、現役時代の収入や、会社員や公務員としての勤務期間が、個々の年金額に大きな影響を与えています。

今後は、男女を問わず、年金だけに頼らずに安定した生活を送るための老後資金の準備がますます重要になっています。

今のうちから着実に老後資金を築くための努力を始めることが肝心です。

参考資料

齊藤 慧