2. FPが解説:標準的な夫婦は年金が「約46万円」支給される理由
見落としがちな年金の仕組みとして「偶数月」の支給、つまり「2ヶ月に1回の支給」であることが挙げられます。
基本的に年金は偶数月15日(土日祝日のケースでは直前の平日)に2ヶ月分が支給されます。
つまり、標準的な夫婦の口座に1回あたりに振り込まれる年金額は「23万483円×2=46万966円」となるのです。
2024年の年金支給日がいつか、そして支払いの対象月についてもカレンダーをチェックしておきましょう。
2.1 〈2024年:年金支給日(支払対象月)〉
- 4月の支給日:15日(2月、3月分)
- 6月の支給日:14日(4月、5月分)
- 8月の支給日:15日(6月、7月分)
- 10月の支給日:15日(8月、9月分)
- 12月の支給日:13日(10月、11月分)
- 2月の支給日:14日(12月、1月分)
約46万円は「夫婦2人分」「2ヶ月分」の年金である点に注意が必要です。
ちなみに前回4月15日に支給された年金は「2024年2月分・3月分」であり、こちらは年度の区切りとしては2023年度分でした。実際に増額された年金を受け取れるのは6月14日である点もポイントです。
また、年金からは税金や保険料が天引きされることも前もって頭に入れておきましょう。
3. 公的年金から「天引き(特別徴収)」されるお金の一覧表
給与から天引き(特別徴収)されるお金があるように、年金から天引きされるお金もあります。
主に、以下の4つのお金が天引きされる可能性があると頭の片隅に入れておきましょう。
- 所得税と復興特別所得税
- 個人住民税
- 介護保険料
- 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
天引きされる条件はそれぞれ定められ、全員にあてはまるわけではないことに注意が必要です。
所得税や住民税などは所得が一定以下であれば非課税となり、天引きされることはありません。
一方、支払いが義務づけられている健康保険料や介護保険料は、もし天引きとならなくても納付書や口座引落による「普通徴収」などで納める必要があることがほとんどです。
実際の振込額は、毎年6月に送付される「年金振込通知書」で確認可能。前もって確認しておきましょう。
次の章では、国民年金と厚生年金の額面上の平均受給額と受給権者数をチェックしていきます。