新年度が始まってまもなく2ヶ月が経過しようとしています。

筆者も20年ほど前に新社会人になったわけですが、初めて自分で稼いだお金についてはよく覚えています。

嬉しかった半面、1つ驚いたこととして総支給額よりも手取り額が減っていたことです。

4月に初任給を受け取った人も、5月の給与からは社会保険料などの天引きにより、手取り額はさらに減少します。

今後も毎月の給与から保険料や税金は引かれ続けますが、これは退職して年金生活になっても同じです。

仕事柄、老後の年金についての相談を受けますが、天引きされるお金の影響が大きいと驚く方が多いです。

そこで今回は、老後のお金事情について、年金と天引きされるお金を中心に考察を行います。

1. 「年金振込通知書」とは?

「年金振込通知書」は、毎年6月に金融機関等の口座振込で年金を受け取っている人に対して、6月から翌年4月(2カ月に1回)まで毎回支払われる金額を知らせるものです。

年金支払額や受取金融機関に変更があった場合には、その都度お知らせがあります。

まだ年金の受給がスタートしていない人については、誕生月に「ねんきん定期便」が送られますので、そちらで確認するようにしてください。

なお、ねんきん定期便の金額はあくまで額面であり、実際に振り込まれる金額とは異なります。

1.1 年金の額面と手取り額に差がある理由

公的年金である国民年金や厚生年金は収入として扱われるため、支給される額面の年金からは税金や社会保険料が天引きされます。

これにより、手取り額は額面の金額よりも低くなってしまうというわけです。

具体的には、所得税や住民税、社会保険料、健康保険料などが天引きされます。

これらの天引き額は、年金振込通知書に記載されており、受給者は通知書を確認することで実際の手取り額を把握することができます。

次章では年金振込通知書の画像を見ながら、確認しておくべき項目について解説します。