円満退社に役立つ退職理由や退職届提出時期、退職挨拶のポイント

はじめに

勤めている会社を何らかの事情で退職する場合、ただ単に退職を申し出れば良いわけではありません。できるだけ円満退社を目指すのが社会人としてのマナーなので、スムーズに退職するための退職理由や退職届の提出時期、退職挨拶のポイントなどを知っておきましょう。

目次

1. 退職を決意したら最初にやるべきこと
2. 退職理由は慎重に考える
3. 退職の告知時期
4. 退職時に会社から引き留められたら?
5. 退職時は引継ぎも忘れずに
6. 好感を持たれる退職挨拶
7. 円満退社は社会人としてのマナー

1. 退職を決意したら最初にやるべきこと

退職を決めたら、退職届を出すよりも先に、まずは直属の上司へ相談するのが良いでしょう。理由はいくつかあります。

上司が噂で退職を知ってしまうことを避ける

職場では、退職の話は皆の共通の関心ごとと言っても過言ではないでしょう。同僚などに先に話してしまったことで噂が広まり、自分が話す前に上司の耳に入ってしまう可能性もありますので注意が必要です。上司も噂であなたの退職意思を知るのは気分の良いものではないでしょうし、それによって、あなた自身が上司に話しづらくなることもあるでしょう。親しい同僚にも絶対に秘密にしなくてはいけないという事ではないのですが、上司に話すまでは情報が漏れないようにお願いするなど、あなた自身が退職情報の重要さを意識することが大切です。

関係部署などにいきなり退職届を提出しない

人事部や社長などにいきなり退職届を提出すると、直属の上司の管理責任が問われて迷惑をかけてしまうことがあります。また、上司が一番と言っても、静かなオフィスフロアで大勢の人が聞いているところで突然退職の話を切り出したりするのもよいとはいえません。円満に退職するためには、上司に配慮した形で退職を伝えるのがよいでしょう。

上司が退職の意思を受け入れてようやく次のステップ

あなたの意思を上司が受け入れてようやく次に進めると思ってよいでしょう。上司が会社にあなたの退職の意思を伝えると、後任人事や退職時期などが決まった上で退職が正式に決まることになり、同僚などに通知されます。

円満退職のためには上司の協力は欠かせない

円満に退職をしようと思ったら、上司の協力は必ず必要になってきます。上司が原因で辞める決心をしたという方も実際には少なからずいるとは思いますが、そんな方こそ、退職時に今以上の遺恨をお互いに残さないよう努力することで、気持ちよく終われるかが変わってきます。「まずは最初に上司に相談した」という姿勢を見せ、上司を立てることも大切です。

2. 退職理由は慎重に考える

一般的に、退職理由というと「一身上の都合」というイメージがありますが、ほとんどの場合、そのような理由では会社は納得してくれません。退職を切り出すと、上司から具体的な退職理由を聞かれるケースがほとんどです。円満退社を目指すためにも、上司や会社が納得して送り出してくれるような理由をあらかじめ考えておくのが良いでしょう。

ただ、実際には会社を辞める理由の殆どが、人間関係、給与や残業の不満など、退職理由としては、正直に伝えても角が立つ理由であることもあるでしょう。上司から「不満な点は改善するから」と退職を引き留められる可能性もあります。改善が見込めるなら退職しないという人はそれでも良いのですが、既に転職先を決めているなど、引き留められると困る場合には、不満を理由に退職しない方がよいでしょう。

円満に退職するためには、会社が口を出しにくいプライベートな部分で退職理由を伝えるのも1つの方法です。例えば「親の介護が必要になったので実家に戻らなければならない」「どうしてもやってみたい夢ができた」「スキルアップのために勉強がしたい」など、会社の力ではどうしようもない理由にしておくと比較的受け入れられやすいのです。どうしても辞めたい、引き留められたくない、という方はぜひ検討してみてください。

退職理由はいつの間にか上司だけでなく同僚の間にも噂で広まることが多いため、会社に残る人を不愉快にさせないよう、配慮した理由を考えるのも円満退社のコツといえるでしょう。

3. 退職の告知時期

退職日については、会社に退職を伝えてから2週間が経過すれば自由に退職できると法律で定められています。ただ、実際に希望する退職日の2週間前に退職届を提出すると、引継ぎや人事異動が間に合わないため、現場レベルで迷惑をかけてしまうことも多いでしょう。

会社によっては就業規則で退職の告知時期を定めている会社もあります。就業規則の内容は会社ごとに異なりますので、退職を考えているかたは一度チェックしてみてください。

一般的には、退職日に関しては遅くとも一ヶ月前までの申し出を必要としているケースが多いですが、一ヶ月前というのはあくまでもギリギリのラインで、会社のことを考えれば早いに越したことはありません。時間に余裕があれば、会社はしっかり人事や引継ぎの内容を決めることができるため、退職者への印象が良くなることもあります。どの程度の期間が適切なのかは、仕事の内容や業種、職場風土によっても様々です。希望は伝えつつ、上司や会社側としっかり話し合って退職時期を決めるのがベストといえるでしょう。

退職届を提出するうえで意識せずにいられないのが、ボーナスの存在です。できればボーナスを無事に受け取りたいという気持ちから時期を悩まれるかたもいるのではないでしょうか。ボーナスが支給される直前に退職を申し出ると、会社によってはボーナスが減額されたり支給される会社もあるため、ボーナス後にしようと考える方も多いのではと思いますが、支給日が過ぎるなり退職を伝えるのでは、会社からの目線も気になるでしょうし、ボーナスの返還を求められるなどトラブルになれば円満退社が難しくなってしまいます。退職届を出すタイミングには十分注意しましょう。

4. 退職時に会社から引き留められたら?

退職を申し出た時に会社から強く引き留められる可能性もあります。上司が退職の申し出を上層部に伝えずに受け流してしまうようなケースも実際にはよくあることです。上司を飛ばして人事部や、さらに上の上司に直接話をした方が早いと思われるとは思いますが、先に述べたように、円満退職の一番の肝は直属の上司の協力です。まずはこれまでお世話になった事実に感謝を述べつつ、少し時間をかけてでも直属の上司を説得する努力はしてみましょう。もちろん、引き留められたからと言って退職させてもらえないわけではありません。

引き留められると退職まで時間がかかることも多いので、退職の意思が固い場合には、そもそも引き留められないような退職理由を用意しておくのも効果的です。病気や家族の問題などセンシティブな理由だと上司も遠慮する可能性が高いといいます。嘘にはならない程度に、状況に合わせて受け入れられやすい理由を考えてみると良いでしょう。

5. 退職時は引継ぎも忘れずに

円満退社の最も大切なポイントの一つが、引継ぎをしっかり行うということです。どうせ退職するから後は知らない、と適当に引継ぎをするのはビジネスマナーに反しています。適当な引継ぎで同僚と亀裂が生じてしまう可能性もありますし、退職してからも内容確認などで会社から連絡が入ることもあります。立つ鳥跡を濁さずという言葉の通り、スムーズに退職するにはトラブルの種を残さないことが大切です。

実際に引継ぎを行う場合は、余裕を持って完了できるように引継ぎスケジュールを立てましょう。まずは自分が担当している業務を全て書き出し、一つ一つ必要な行程などを記した引継資料を作りましょう。理想は、あなたの残した引継資料を見れば業務をつつがなく運用できる状態にしておくことです。それを後任に説明するのに必要な日数も計算し、退職日までにきちんと完了させられるよう計画してください。引継ぎ中は通常業務も行わなければならないことも多いので、何かトラブルが起きれば引継ぎが遅れてしまいます。取引先がある場合には、後任の紹介や退職の挨拶なども含め、退職日の一週間前までに引継ぎを終えるように計画するなど、トラブルが起きても十分に引継ぎを済ませられるように計画しておきましょう。

6. 好感を持たれる退職挨拶

最後の出社日には、職場の上司や同僚、後輩に対して退職挨拶を行います。直接会える人には可能な限り口頭で挨拶してください。楽だからと同じ部署の人にメールで挨拶を済ませたりしてはいけません。最終日の退職挨拶は、円満退社の最後の仕上げと言っても過言ではないでしょう。最後まで手を抜かないことが大切です。

また、営業職などで社外の取引先と関わりが深かった場合にも、忘れずに挨拶が必要です。こちらは最終日に忘れていた!と慌てることがないように、最終日にはすべて終えられているよう計画的に済ませます。後任を紹介しがてら、直接もしくはメールや電話で忘れずに挨拶を入れておくのがよいでしょう。

好感を持たれる退職挨拶とは

まず退職することになった理由を当たり障りなくサラッと伝え、在職中にお世話になったお礼を丁寧に述べます。最後に、「今後のご活躍をお祈りいたします」など会社に残る人を思いやる言葉を付け加えると、ぐっと印象が良くなるでしょう。時間に余裕があれば、在職中に同僚や上司から学んだことや業務を通して成長できたことなど、その方や会社に対して良い思い出を持っていることを伝えるとさらに好感度が増します。

これらは、皆の前で退職のスピーチをする場合でも、退職の挨拶周りの立ち話でも同じように使えますが、感謝の気持ちを伝えようとするあまり、長々と話し続けるのは、いずれにしても厳禁です。同僚たちは業務を中断して退職挨拶に耳を傾けてくれているため、スピーチや立ち話にふさわしい時間内に収めましょう。また、ネガティブな印象を残す話もしてはいけません。最後まで良い印象を持ってもらうためにも、丁寧かつポジティブな挨拶にすることがポイントです。

7. 円満退社は社会人としてのマナー

退職を決意すると、中には会社への愛着が無くなって適当な言動になってしまう人もいます。確かに退職すればその会社と関わることはないでしょうが、お世話になってきた会社に迷惑をかけず、不快な思いもさせずに円満退社するというのは非常に大切なことです。最初に上司に相談することや当たり障りのない退職理由を考えること、退職届の提出時期に気を遣うことや引継ぎをしっかり行うことなどは、社会人としてのマナーと言っても良いでしょう。また、引き留められた場合の対応方法や最後の挨拶なども、円満退社を目指すなら抑えておきたいポイントです。どの項目も必ず行わなければ退職させてもらえないわけではありませんが、どれか一つでも不十分なまま退職してしまうと、後に残される上司や同僚たちに嫌な思いをさせてしまうかもしれず、結果として、会社だけでなく取引先などにまで悪い評判が立ってしまう場合もあるでしょう。悪い評判が転職先で広まってしまったり、何かの拍子に前の会社の人と関わって冷たい目で見られる可能性もあります。円満退社しているのといないのとでは、人間関係やビジネスに影響が出ることもあるのです。このような事態を避け、新しい生活を順調にスタートさせるためにも、遺恨なく円満に退職できるよう努力することが大切です。

おわりに

いかがでしたか?退職は、その会社との関係が終わるできごとでもありますが、ネガティブなできごとにするか、ポジティブなできごとにするかはあなた次第ともいえます。あなた自身の力ではどうにもならない理由で退職する方も中にはいるかもしれません。それでも、退職にあたり「自分は精一杯頑張った!」と言えるような体験を積み重ねる事ができるかどうかが、今後のあなたの力になるのではないでしょうか。

LIMO編集部

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LIMO編集部は、個人投資家向け金融経済メディアであるLongine(ロンジン)の執筆者である国内外大手証券会社で証券アナリストや運用会社のファンドマネージャーとして長年の調査や運用経験を持つメンバーやビジネス系インターネットメディアでの運営経験者等を中心に構成されています。国内のみならずグローバルの視点から、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデア、ビジネスパーソンの役に立つ情報をわかりやすくお届けします。