1. 日経平均は3日ぶりの反発だが伸び悩む
2024年5月10日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比155円13銭高の3万8229円11銭となりました。投資家の間に、米連邦準備理事会(FRB)が、年内など早期に利下げを行うという見方が広がっており、米ダウ工業株30種平均は9日まで7日続伸していました。これを受けて日本株も買われました。一時は660円以上上昇しましたが、その後は利益確定売りなども出て伸び悩みました。
今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。10日の米株式市場でダウ平均は前日比125ドル08セント高の3万9512ドル84セントで終えています。8日続伸です。8日続伸は2023年12月以来、約5カ月ぶりです。FRBの利下げ転換への期待から買われました。日本株も週初から底堅い展開になることが期待されます。
ダウ平均の最高値は3月末に付けた3万9807ドルです。最高値の更新および史上初の4万ドル超えも近づいてきました。それに比べて日本株はやや出遅れ感があります。バブル崩壊後の最高値を超え、一時は4万1000円台に乗りましたが、その後は上値の重い展開が続いています。
大きな要因の一つは為替相場です。円相場は一時160円に達するなど乱高下しています。円安・ドル高傾向になると、自動車や機械など輸出関連銘柄にとっては追い風になりますが、エネルギー、外食など内需型産業にとっては逆風です。円相場の行方を見極めたいという投資家も多く、日本株への積極的な投資を控える投資家もいます。
企業の2024年3月期の決算発表が佳境を迎えています。足元での円安・ドル高傾向を受けて、多くの企業の業績が好調ですが、今後の見通しについては保守的に見る企業が多いようです。円相場は、政府・日銀の為替介入の観測もある中、駆け引きが続いています。
今週は大手企業の決算が相次いで行われます。13日にはスクウェア・エニックス・ホールディングス、ソフトバンクグループ、ブリヂストン、14日にはソニーグループ、ニトリホールディングス、日本マクドナルドホールディングス、楽天グループ、りそなホールディングス、15日には、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、リクルートホールディングスなどの決算が発表されます。