公的年金は老後の収入源の柱となり得るものですが、支給額が毎年変わることはご存知でしょうか。

2024年度の支給額は、近年の物価上昇を受け、2.7%の引き上げがされることになりました。

それだけを聞くと、現役世代の方の中には「高齢者は年金が増えて羨ましいな」と感じる方がいるかもしれません。

実際には、物価はそれ(2.7%)以上に上昇し続けているため、実質的には目減りしているのが現状なのです。

では、標準的な夫婦世帯では月額でいくらの公的年金が支給されるのでしょうか。

本記事では、2024年度の「厚生年金・国民年金」の標準的な夫婦世帯の月額について紹介していきます。

厚生労働省が公表した、最新の「公的年金の平均月額」についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 【2024年6月支給分から】標準的な夫婦世帯の年金月額は約23万円

厚生労働省の公表した資料によると、2024年度の年金額の例は下記のとおりです。

  • 国民年金(満額):6万8000円(1人分)
  • 厚生年金:23万483円(夫婦2人分の国民年金を含む標準的な年金額)

2023年度の年金額の例と比較すると、国民年金で1750円、厚生年金で6001円も受給額がアップしています(月額ベース)。

国民年金は、20〜60歳未満の人が原則加入対象となるもので、40年間未納なく保険料を納めていた場合は、1人6万8000円を受け取れます。

一方で厚生年金は、主に会社員や公務員が加入対象で、国民年金に上乗せする形で年金を受け取れます。

なお、国民年金は保険料が一律なのに対して、厚生年金は現役時代の年収や加入期間によって、受給料に個人差が生じやすいです。

厚生労働省の発表した、2024年度の厚生年金の金額例は「標準的な夫婦世帯2人分」の金額を想定したものとなっており、標準的な夫婦に該当する場合は国民年金と厚生年金あわせて「23万483円」を受け取れます。

ここでいう「標準的な夫婦世帯」の内訳は下記のとおりです。

【標準的な夫婦世帯】

  • 夫:平均標準報酬(賞与含む月額換算)が43万9000円で40年間就業した場合の厚生年金と国民年金を満額受給
  • 妻:国民年金を満額受給

つまり、夫が40年間会社員または公務員として月収43万9000円を稼いでいるかつ、妻が40年間専業主婦(もしくは自営業・扶養内パート)だった場合を「標準的な夫婦」としており、この条件に当てはまる世帯は2024年度に月額約23万円の年金を夫婦で受け取れることになります。