2024年は、年金の財政状況を確認する「財政検証」が行われる年です。

今後の年金制度のあり方も議論されるので、高齢者にとっては関心の高いテーマといえるでしょう。

では、60歳代や70歳代の高齢者は、実際にいくら年金を受給しているのでしょうか。さらに、保有する貯蓄額も気になるところです。

今回は、60歳代と70歳代の年金額と貯蓄額について解説します。

記事の後半では、高齢者の就業率についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

1. シニア世代の年金額はいくらか

公的年金は、原則として65歳から支払われます。

会社員や公務員は老齢厚生年金、自営業者やフリーランスは老齢基礎年金を受け取ります。

それぞれの年金額は、これまでの年金を納付した月数や納めた保険料額によって決まります。

では、60歳代と70歳代の受給額をそれぞれ確認しましょう。

1.1 60歳代の年金額

厚生労働省が2023年12月に公表した「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均額は、月額14万4982円でした。

基礎年金の平均受給額は、5万6428円です。

60歳代の年金額をみると、それぞれの年金額は以下の通りです。

【写真1枚目/全5枚】60歳代の厚生年金と基礎年金受給額。写真2枚目からは貯蓄額や就業率もチェック

60歳代の厚生年金と基礎年金受給額の一覧表

出所:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金

  • 60歳:9万4853円
  • 61歳:9万1675円
  • 62歳:6万1942円
  • 63歳:6万4514円
  • 64歳:7万9536円
  • 65歳:14万3504円
  • 66歳:14万6891円
  • 67歳:14万5757円
  • 68歳:14万3898円
  • 69歳:14万1881円

厚生年金の受給額をみると、60歳代前半では月額10万円を超えていません。

基礎年金では、65歳以上で平均額を上回りました。

基礎年金

  • 60歳:4万2616円
  • 61歳:4万420円
  • 62歳:4万2513円
  • 63歳:4万3711円
  • 64歳:4万4352円
  • 65歳:5万8070円
  • 66歳:5万8012円
  • 67歳:5万7924円
  • 68歳:5万7722円
  • 69歳:5万7515円

では、70歳代の受給額を確認しましょう。

1.2 70歳代の年金額

70歳代の受給額は、以下の通りです。

70歳代の厚生年金と基礎年金受給額

70歳代の厚生年金と基礎年金受給額の一覧表

出所:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金

  • 70歳:14万1350円
  • 71歳:14万212円
  • 72歳:14万2013円
  • 73歳:14万5203円
  • 74歳:14万4865円
  • 75歳:14万4523円
  • 76歳:14万4407円
  • 77歳:14万6518円
  • 78歳:14万7166円
  • 79歳:14万8877円

基礎年金

  • 70歳:5万7320円
  • 71歳:5万7294円
  • 72歳:5万7092円
  • 73歳:5万6945円
  • 74歳:5万6852円
  • 75歳:5万6659円
  • 76歳:5万6453円
  • 77歳:5万6017円
  • 78歳:5万5981円
  • 79歳:5万5652円

70歳代における公的年金の受給額は、厚生年金、基礎年金ともに65歳以降の受給額と差はありませんでした。

次章では、貯蓄額は60歳代と70歳代で違いが見受けられるか確認しましょう。