年金生活者支援給付金とは、公的年金等やその他の所得の合計額が一定水準以下の年金受給者に対して、生活支援を図るために年金に上乗せして支給されるものです。

2024年度においては、近年の物価や賃金の上昇を受け、公的年金が2.7%引き上げとなりました。さらに年金生活者支援給付金については、3.2%の増額改定となるのです。

では、一体どのような人が年金生活者支援給付金を受給できるのでしょうか。

本記事では、年金生活者支援給付金の支給額や要件について詳しく紹介していきます。

2024年度の「年金生活者支援給付金」の基準額についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 2024年度「年金生活者支援給付金」の基準額が3.2%増額

冒頭でもお伝えしたように「年金生活者支援給付金」は、年金生活をしている所得の低い世帯に対して、生活支援を目的に年金に上乗せされる給付金です。

年金生活者支援給付金は、「老齢年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」を受給している人のうち、一定の要件を満たした人が下記の給付金を受け取れます。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

なお、年金生活者支援給付金の給付額は毎年見直しがされており、2024年度は物価や賃金上昇の影響を受け、3.2%の増額改定となりました。

ただし年金生活者支援給付金は、「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」それぞれで金額が微妙に異なります。

次章にて、より詳細な「年金生活者支援給付金」の給付額についてみていきましょう。

2. 年金生活者支援給付金の支給額

2024年度の年金生活者支援給付金の給付金額例は下記のとおりです。

2024年度の年金生活者支援給付金の給付金額例1/4

2024年度の年金生活者支援給付金の給付金額例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

【2024年度の年金生活者支援給付金の金額例】

  • 老齢年金生活者支援給付金:5310円(+170円)
  • 障害年金生活者支援給付金:1級は6638円(+213円)、2級は5310円(+170円)
  • 遺族年金生活者支援給付金:5310円(+170円)

年金生活者支援給付金の支給額の算出方法について、ぞれぞれ確認していきます。

2.1 老齢年金生活者支援給付金

老齢年金生活者支援給付金は、月額5140円を基準額とし、保険料納付期間や保険料免除期間等に応じて算出され、下記(1)と(2)の合計で求めます。

老齢年金生活者支援給付金の計算式2/4

老齢年金生活者支援給付金の計算式

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」

  • (1)保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5140円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
  • (2)保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1333円 × 保険料免除期間/ 被保険者月数480月

上記は生年月日によって異なるケースもあるため、より詳細に知りたい場合は、お近くの年金事務所や市町村窓口で確認すると良いでしょう。

2.2 障害年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金の給付額は一律となっていますが、障害等級によって金額が異なります。

障害等級が2級の場合は「月額5140円」、1級の場合は「月額6425円」となっています。

2.3 遺族年金生活者支援給付金

遺族年金生活者支援給付金も給付額は一律となっており、月額5140円です。

ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5310円を子の数で割った金額がそれぞれに支払われます。

たとえば、3人の子が遺族基礎年金を受給している場合は「5310円 ÷ 3 = 1770円」となり、一人当たり1770円の支給となります。

3. 「年金生活者支援給付金」の支給要件について

続いて、「年金生活者支援給付金」の支給要件について見ていきましょう。

「年金生活者支援給付金」の支給要件3/4

「年金生活者支援給付金」の支給要件

出所:厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」

支給要件においても、「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」それぞれで内容が異なるため、一つずつ確認していきましょう。

3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金は、以下すべてに該当している人が対象となります。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が87万8900円以下

ただし、障害年金や遺族年金等の非課税収入は計算に含まないため、合計額を算出する際には留意しておけると良いでしょう。

3.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件

障害年金生活者支援給付金は、以下すべてに該当している人が対象となります。

  • 障害基礎年金の受給者
  • 前年の所得が472万1000円以下

ただし、所得の計算に「障害年金等の非課税収入」は含まず、基準となる所得は扶養親族等の人数によって異なります。

3.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件

遺族年金生活者支援給付金は、以下すべてに該当している人が対象となります。

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得が472万1000円以下

ただし、障害年金生活者支援給付金と同様に、所得の計算には遺族年金等の非課税収入を含まず、基準となる所得は扶養親族等の人数によって異なります。

3.4 年金生活者支援給付金の対象外となるケース

下記にひとつでも該当する場合は、年金生活者支援給付金の対象外となるため、あわせて確認しておきましょう。

  • 日本国内に住所がないとき
  • 年金が全額支給停止のとき
  • 刑事施設等に拘禁されているとき

要件についてより詳しく知りたい方は、お近くの年金事務所で確認することをおすすめします。

では、年金生活者支援給付金を受け取るのに手続きは必要なのでしょうか。

4. 年金生活者支援給付金の手続き方法

最後に、年金生活者支援給付金の手続き方法について確認しておきましょう。

年金生活者支援給付金の対象となる方の場合、通知が送付されます。

上記の通知が届いたら、太枠部分を記載し、忘れないように返送しましょう。

なお、支給要件を満たし続ける限りは、2年目以降の手続きは原則不要です。

また、2024年度改定後の年金生活者支援給付金の支給は、2024年6月14日からとなるため、合わせて覚えておけると良いでしょう。

5. 年金だけに頼らない老後の準備をしておこう

本記事では、年金生活者支援給付金の支給額や要件について詳しく紹介していきました。

2024年度は、物価上昇の影響を受け、公的年金額・年金生活者支援給付金ともにプラスの改定となりました。

しかし、改定額は物価上昇に追いついておらず、実質目減りとなっているのが現状です。

このことから、年金だけに頼らない老後の準備を今のうちからしておくことが、老後生活の安心材料になるとうかがえます。

貯蓄以外に、NISAやiDeCoといった資産運用制度も活用しながら、独自の老後の備えをしておけると良いでしょう。

参考資料

太田 彩子