はじめに
ビジネスシーンで必要になるのが、マネジメントやリーダーシップのスキル。この2つは混同して語られることも多いですが、実は全く異なるスキルになります。ここでは、2つの違いやそれぞれに求められる役割、能力などを解説していきます。
目次
1. マネジメントの特徴や求められる役割、心構えは?
2. リーダーシップの特徴や求められる役割、心構えは?
3. マネジメントとリーダーシップとはどこが違う?
4. マネジメントに必要な適性や能力
5. リーダーシップに必要な適性や能力
6. ビジネスシーンでは2つのスキルが必要
7. スキルアップに役立つ専門サービスがある!
マネジメントの特徴や求められる役割、心構えは?
マネジメントは、簡単に言えば組織を管理する力です。会社などの組織を管理する上では、実のところ、いろいろな視点から状況を眺めて、アプローチをしていく必要があります。予め設定したプランを成功させるためには、成果を出せる方法を探り、課題を1つ1つこなしていくことが必要になるでしょう。組織の中でこのようなプランを実行に移す場合、それぞれのスタッフを適材適所に配置する、部下を育てる、などの対応が必要になってきます。こういった対応をするのは、マネジメントを行う管理職。この他にも、部下のやる気を引き出す、などがマネジメントをする上では大切なことになります。
どうすればスタッフが自分の能力を発揮出来るようになるのかを考え、環境づくりに力を注ぐのもマネジメントを行う管理職の役割です。部下とのコミュニケーションをこまめに取り、モチベーションを維持出来るようなサポートを行えば、問題点などを常に共有しながら、仕事を進めていくことが出来るでしょう。マネジメントの場合は、上司としてだけでなく組織としての視点が常に求められてきます。例えば、斬新なアイデアを取り入れる時にも、社内のルールや組織の中の秩序を重んじながら改革を進めていくことが大切。独りよがりにならないように、常に客観的に物事を判断していくことも、マネジメントをする時に意識しておきたい心構えと言えるでしょう。"
リーダーシップの特徴や求められる役割、心構えは?
明確な目標を示して部下たちを引っ張っていくのが、リーダーシップ。このようなスキルは、組織の経営者には特に必要と考えられています。スタッフが共感出来る目標やプランを提示してスタッフの意欲を引き出すことは、リーダーの役割でもあります。具体的なヴィジョンに向けて行動を開始する上では、失敗や障害などに負けないだけの精神力やパワーが必要。こういったスタッフの力を引き出すのも、リーダーに求められる役割と言えるでしょう。リーダーシップの場合は、自分自身の価値観や判断が、言動の1つのベースになっています。組織の将来を考えた上で、最適と思われるヴィジョンを打ち出し、部下を先導していきます。
したがって、リーダーの場合は、部下にとっても魅力的なヴィジョンを打ち出すことが求められてくるでしょう。また、自分の言動に賛同してもらえるようなパーソナリティも、必要になってきます。リーダーシップを発揮する上では、ぶれないヴィジョンを持つのが大切なこと。スタッフが思わず協力してしまいたくなるパワーを維持することが、リーダーの心構えの1つになるでしょう。揺るぎない信頼関係を築いておくことも、リーダーシップを発揮する上では重要です。"
マネジメントとリーダーシップとはどこが違う?
マネジメントを行う際には、大体において実務的なアプローチが大事になります。例えば、何かトラブルが起こった時には、問題を抱えている部下に適切な指示を出す、具体的な解決策を考えて提案する、などのアプローチが、マネジメントを行う管理職には求められてきます。一方、リーダーシップは、部下を励まして、解決に向けての意欲を引き出すといったアプローチで、サポートを行います。マネジメントに比べると、精神的な面での影響力を駆使して組織を先導していくのが、リーダーシップの特徴と言えるかもしれません。
また、何らかの新しい計画を実行する時にも、マネジメントとリーダーシップとでは、少し異なります。マネジメントでは、概して目の前にある状況を中心にプランを練り、管理を行っていきますが、リーダーシップの場合は、将来のヴィジョンを重視する傾向があります。マネジメントもリーダーシップも、部下を動かしていくという点は同じですが、アプローチの仕方や、指示を行う際の視点などに違いがあります。したがって、それぞれの力を発揮するに当たって求められてくる、能力や適性も若干変わってくるでしょう。
ただ、このような能力や適性は、トレーニングなどを受けることで欠けている部分を補っていくことも出来ます。管理職向けの研修などでは、マネジメントやリーダーシップのレクチャーが行われているケースがあり、後からスキルを磨いていくことも不可能ではなくなっています。"
マネジメントに必要な適性や能力
マネジメントを行う時には、冷静な判断力などがまずは必要になってきます。状況を正確に見る分析力や洞察力も、マネジメントをする際には不可欠になるでしょう。マネジメントでは、時に社内だけでなく、社外の取引先や関係者とも交渉や調整を行う必要が出てきます。管理職としての視点はもちろんですが、組織の一員として利益に繋がるようなアプローチを選択していく必要があるわけです。したがって、広い視点で物事を見る力も求められてきます。もちろん、自分の仕事をきちんと遂行するためのセルフマネジメントも行っておく必要があるでしょう。部下を正しい方向に導いていくには、適切な目標や計画を立てる力も不可欠。円滑な意思疎通をはかれるだけのコミュニケーション能力や、部下のポジティブな一面を見抜く力も、マネジメントの担当者には欲しいところです。
いろいろな視点を持ちながら、多くのことを同時進行でこなしていかなければならないのが、マネジメントの難しい点と言えるかもしれません。コミュニケーション能力が高い方や、臨機応変に行動が出来る方などは、マネジメントの適性も高くなるでしょう。管理職を希望している場合は、日頃から状況を冷静に見る習慣をつけておくと良いかもしれません。"
リーダーシップに必要な適性や能力
リーダーシップで部下や組織を動かしていくに当たって、必要になる能力としては、仕事のスキルや共感を呼び起こすパーソナリティなどが例えば考えられます。心情に訴えて部下のモチベーションを上げることも時に必要ですが、ビジネスシーンでは、持論を展開する際にも人を納得させられるだけの根拠を挙げることがポイントになってくるでしょう。いざという時に頼れる決断力や責任感なども、リーダーシップをとる時には備えていたい能力といえます。このような能力が実際にあるかどうかは、何らかのトラブルに直面した時などに見えてくることが多いです。日ごろの言動と矛盾がないかという点は、特に大切になってくるでしょう。
また、部下から信頼されるような誠実さや気さくさなども、リーダーに求められる能力になるかもしれません。元々、面倒見が良い方や責任感が人一倍強い方などは、ビジネスシーンでもリーダーシップを発揮して活躍出来る可能性があります。知らず知らずのうちに、部下からの尊敬を勝ち取れる方であれば、自分らしく振る舞いながらもリーダーシップで組織を率いていくことが出来るでしょう。
ビジネスシーンではマネジメントもリーダーシップも必要
マネジメントとリーダーシップは、いずれもビジネスシーンでは重要なスキルです。管理職の場合は、両方の能力の違いを正しく理解した上で、使い分けられることがベストでしょう。マネジメントを行う管理職も、プロジェクトなどで成果を上げる上では、マネジメントのスキルだけでは十分に部下のモチベーションを上げられない場合もあります。このような時に求められてくるのが、リーダーシップです。現状を踏まえたプランを練ってから、今後のヴィジョンを打ち出していけば、部下も行動の指針が出来ます。やるべきことが見えてくるため、求められている課題を1つ1つこなしていくことが出来るでしょう。マネジメントとリーダーシップを発揮しながら仕事を進める方法は、ビジネス書などでも取り上げられるケースがあるようです。
実際、組織の規模や態勢によっては、マネジメントとリーダーシップを、1人の管理職がこなさなければならないこともあるでしょう。このような管理職の場合は、いずれのスキルが欠けていても業務に支障が出る可能性があります。幅広いスキルを身につけるには、マネジメントとリーダーシップについて学べるポストを、一通り経験しておくのも1つのアプローチになるかもしれません。
スキルアップに役立つ専門サービスがある!
突然の配置転換などで、思いがけず管理職になってしまったという時には、ここでご紹介したような、マネジメントやリーダーシップのスキルについて不安に感じることがあるかもしれません。場合によっては、組織の再編などを通じて、1人のスタッフがマネジメントとリーダーシップをこなさなければならない状況も出てくるでしょう。このような時には、専門のサービスを利用して必要なスキルを身につけるのも合理的な方法です。ビジネススキルのトレーニングを行うサービスは、人材派遣会社やエージェントなどでも行っていることがあります。トレーニングを専門に行うビジネススクールも見られるようになっていますので、部下や自分自身のスキルアップのために利用することが出来ます。
この手のサービスは組織の規模や業種にかかわらずニーズが高くなっているため、新入社員研修や管理職研修といったコースを用意するスクールもあり、スキルアップの機会は豊富です。プロの講師から直々にレクチャーが受けられるのが、研修やビジネストレーニングの良さ。マネジメントとリーダーシップを兼ね備えた人材を育てる上でも、こういったスクールのサービスは役立ってくるでしょう。早い段階からスキルを身につけていれば、どのようなポストに付いても戸惑わずに能力を発揮していけます。組織の一員として備えておくべきスキルは、何らかの方法で早めに習得しておいた方が良いでしょう。
おわりに
いかがでしたか。マネジメントとリーダーシップは、上司に求められる役割として当たり前のように語られることが多いですが、実はとても奥が深いものでもあります。マネジメントもリーダーシップも、その共通の目的である「部下を活かすため」に必要なスキルであることを意識し、正しく使い分けることがとても重要だといえるでしょう。
LIMO編集部