一時期話題となった「老後2000万問題」。この問題をきっかけに、老後の生活のために貯金などで準備をしていこうと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

昨今では物価高騰も落ち着かず、このまま物価が上がっていけば、将来の老後資金の不足金額はより大きくなるでしょう。

2024年3月に公表された内閣府「生活設計と年金に関する世論調査」によれば、老後「全面的に公的年金に頼る人」はわずか2割程度でした。

ほとんどの人は公的年金のみに頼らず、貯蓄などで生活していくことがうかがえます。

そこで今回は、65歳以上世帯の「平均貯蓄額」やセカンドライフでの生活費の「赤字」に迫ります。

気になる老後の収入「年金」についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 【65歳以上】現代シニアの「平均貯蓄額」はいくら?

まずは65歳以上の世帯における平均貯蓄額をみてみましょう。

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、平均貯蓄額と中央値を確認します。

【写真全5枚中1枚目】65歳以上世帯の貯蓄額平均と中央値。2枚目は厚生年金の平均受給額を一覧表で紹介

65歳以上世帯の貯蓄グラフ

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」

  • 貯蓄平均値:2414万円
  • 貯蓄中央値:1677万円

平均値が2414万円と聞くと、「老後2000万円問題」をクリアしている世帯が意外と多いと感じるかもしれません。

しかし、平均値は貯蓄の大きな世帯に数値が引き上げられる性質があります。

そのため、今回参考にすべきは、より実態に近い中央値の「1677万円」という金額になるでしょう。

また、貯蓄4000万円以上を有している世帯が17.9%いる一方で、100万円未満という世帯も7.8%確認できます。

老後いくらあれば安心できるのか、という観点については持ち家か賃貸かどうかや、介護の有無など家庭事情によって異なります。

人生100年時代と言われる日本で貯蓄を取り崩しながら生活することは、どれだけ貯蓄の多い人でも不安に感じるものでしょう。

そんなときに収入源となるのが「公的年金」の存在です。

現代シニアは一体いくらほどの年金を受給しているのでしょうか。次章で確認していきます。