2. 年金の受給額を増やすためには?

年金収入を少しでも増やすために、検討すべきポイントについてまとめました。

老後生活にゆとりを持たせるうえで、参考にしてください。

2.1 まずは年収を増やし勤続期間を長くする

厚生年金の支給額は、月々の給与と概ね比例する「平均標準報酬月額」と加入月数の長さによって決まります。

すなわち納付額が多く、かつ納付期間が長ければ支給額が増える仕組みです。

まずは、キャリアアップなどを通じて年収を高めると共に、できるだけ長期間働いて年金を納め続けるのが有効な対策となります。

2.2 受給時期の繰下げで最大+84%増に

厚生年金には受給開始時期を繰り下げる制度があります。

65歳に達した月を基準に、1月繰り下げる毎に月の支給額が0.7%増える仕組みです。

繰下げ受給のしくみ

繰下げ受給のしくみ

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」をもとにLIMO編集部作成

2024年4月時点では、最大で10年間繰下げが可能で、その場合月の受給額が84%増加します。

65歳時点で働き続ける、もしくは充分すぎる蓄えがあるため年金が必要ないという方は、繰下げを活用するのも一案です。

2.3 iDeCoや年金型の生命保険で自分で増やす方法も

厚生年金だけでなく、iDeCoや年金型の生命保険に加入して自分で年金を積み立てるのも一案です。

これらの制度・商品は一定期間自己資金を拠出すると、ある年齢に達してから年金として運用資産を受け取れるものです。

厚生年金を補完して、より老後生活にゆとりを持たせるうえで役立ちます。

今現在、収支に余裕がある方は、余裕資金をこうした年金制度や商品に回して、将来の収入を増やすのもよいでしょう。

3. まとめにかえて

厚生年金で月15万円を超えている方は、男性では60%以上いますが、女性ではわずか9%に留まります。

年金を増やすための方法を複数知っておけば、効率的な対策も可能になるでしょう。

自分自身の年金目安額をねんきん定期便などで確認することも怠らず、しっかり老後と向き合うことが大切です。

参考資料

太田 彩子