厚生年金で月15万円を超えている方は、男性では60%以上いますが、女性ではわずか9%に留まります。

年金を増やすための方法を理解したうえで、早い内から対策を検討すると、ゆとりのある老後生活が実現するでしょう。

とはいえ、帝国データバンクが4月30日に公表した「食品主要195社」価格改定動向調査―2024年5月によると、5月の食品値上げは417品目が予定されており、日々のやりくりも大変です。

むやみに老後対策を始めても、「今の生活を犠牲にしすぎる」というリスクが生まれるでしょう。

過不足なく、適切に効率よく準備を始めるには、現状をしっかり把握することも重要です。くわしく見ていきましょう。

1. 厚生年金の月額支給額別の分布

厚生労働省が集計している「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」に基づくと、厚生年金保険の 男女別・年金月額階級別の老齢年金受給権者数は次の一覧表のとおりです。

【写真1枚目/全3枚】厚生年金保険の受給額の現状。以降の写真でも現状や”年金を増やすしくみ”をチェック

厚生年金保険の 男女別・年金月額階級別の老齢年金受給権者数

出所:厚生労働省「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を元に筆者集計

以上のデータを元に、受給額別の分布を集計すると次のとおりとなります。

厚生年金受給額ごとの男女別割合

厚生年金受給額ごとの男女別割合

出所:厚生労働省「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を元に筆者集計

  • 0~10万円未満:22.7%(男性10.1%女性47.5%)
  • 0~15万円未満:53.9%(男性35.1%女性90.7%)
  • 15万円以上:46.1%(男性64.9%女性9.3%)

男女の合計で見た場合、15万円以上の年金をもらっている人は全体の46%程度でした。

さらに男女別でみてみると、両者に大きな格差があります。

男性の場合はおよそ65%が月額15万円以上となっている一方で、女性はわずか9%に留まります。

現在老後世代に差し掛かっている方でみると、厚生年金の納付期間や年収に性別間格差があり、上記のような給付額の差を生んでいると考えられます。