明治安田生命が2024年4月24日に発表した「家計」に関するアンケート調査結果によると、今年のGWの予算は2万9677円、昨年の3万9294円から約1万円減となります。
9割の世帯が物価高を実感していると回答しており、GWについても物価高の影響で予算を減らした世帯が65.8%を占めていることが分かりました。
収入が思うように増えない中、食品、生活必需品、交通費、ガソリン代などあらゆるものが急速に値上がりしているのですから、家計の変動費はなるべく抑えたいものですね。
しかし、節約にも限界があります。特に年金生活者は、すでに受け取っている年金額を自助努力で増やすことはできないため、今後の物価上昇に対する不安はより大きいことでしょう。
これから老後に向けて準備を進める人は、こうしたインフレリスクも考慮しておく必要があります。
また、老後生活をイメージしておくことも大切です。
そこで本記事では、2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
年金収入がどれくらいかを眺めながら、老後対策として「何をすべきか?」を考えていきましょう。
1. 公的年金「国民年金・厚生年金」の仕組みを確認
日本の公的年金制度について実は詳しく把握できていないという方は少なくないでしょう。
まずは簡単に日本の公的年金の仕組みについて解説していきます。
日本の公的年金制度は上図のように、国民年金の上に厚生年金が位置する2階建て構造となっています。
国民年金は20歳~60歳未満の日本に住む全ての人に加入義務があり、厚生年金は厚生年金適用事業所で働き一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せする形で加入します。
国民年金・厚生年金のそれぞれの特徴を見ていきましょう。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律(年度ごとに見直しあり※2024年度は1万6980円)
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる(※2024年度67歳以下新規裁定者の満額は6万8000円)
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
- 収入に応じた保険料を会社側と折半して支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる(報酬比例)
上記のとおり、現役時代の働き方によって加入する年金の種類が異なります。
老後は「国民年金のみ」を受給する人と「厚生年金(国民年金を含む)」を受給する人がいます。
厚生年金を受給する人は、2階建ての仕組み上、国民年金のみを受給する人より年金収入が高くなると考えられます。
ただし、加入期間や納付保険料によって個人差があるため必ずしもこの通りではありません。
では、国民年金・厚生年金はひと月あたりどれくらい受け取ることができるのでしょうか。
厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、現在のシニア世代の平均年金月額を確認していきます。