3. 老後までの12年間で1000万円を貯めるには

53歳の夫婦が、65歳までの12年間で1000万円を貯めるケースを考えてみます。老後資金を貯める主な方法としては、「貯蓄」や「資産運用」が挙げられます。

3.1 銀行預金で貯蓄する場合

リスクを取らず、元本保証の銀行預金で堅実に積み立てていく方法です。銀行預金で1000万円を貯める場合、毎月約7万円ずつ積み立てていくことで1000万円を準備できます。

年利0.02%・月7万円ずつ・12年間

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

ただし、物価の上昇によってお金の価値が相対的に低下するので、今の1000万円と12年後の1000万円では価値が異なる可能性があります。

3.2 積立投資を行う場合

積立投資は、投資信託などの金融商品を積み立てていく方法です。元本割れのリスクはありますが、運用益を得られる可能性があり、インフレ対策としても有効です。

さらに、NISAやiDeCoを活用すれば運用益が非課税となるので、税制優遇を受けつつ積み立てていくことができます。

仮に、年利5.0%で運用できたとすれば、毎月5万円ずつ積み立てると約983万円を準備できる計算です。

年利5.0%・月5万円ずつ・12年間

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

 

また、銀行預金で積み立てたケースと同様に月7万円ずつ積み立てれば、約1377万円を準備できる計算です。

年利5.0%・月7万円ずつ・12年間

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

シミュレーション結果からわかるように、銀行預金と積立投資では大きな差が生まれる可能性があります。

投資のリスクに対する考え方は人それぞれですが、さらなる物価上昇に備えつつ老後資金を準備したいなら、資産運用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

※本シミュレーションは、実際の運用結果を保証するものではありません。

4. まずは家計の見直しから

貯蓄や資産運用にお金を回すには、家計収支に余裕がないといけません。まずは家計の見直しを行い、節約できるポイントがないか考えてみましょう。

なお、老後に必要となる資金は家庭によって異なるので、退職金の見込み額や老後の収入なども踏まえ、不足しそうな金額を算出してみることが大切です。

それを基に目標を立て、無理のない範囲で準備を始めていきましょう。

参考資料

加藤 聖人