2024年3月に公表された内閣府「生活設計と年金に関する世論調査」によれば、老後「全面的に公的年金に頼る人」は26.3%でした。
7割以上の人は公的年金のみに頼らず、貯蓄を取り崩しながらセカンドライフを送ることが考えられます。
この記事では、定年退職が最も身近になる60歳代にフォーカスし、貯蓄事情についてみていきます。
同世代の周囲の貯蓄状況を知ることで、自身の貯蓄目標を具体的に設定するヒントが得られるかもしれません。
60歳代以上の二人以上世帯で「貯蓄2000万円以上」の割合や、平均と中央値についても紹介するので参考にしてみてください。
1. 【60歳代・二人以上世帯】羨ましい「貯蓄2000万円以上」は何パーセント?
60歳代・二人以上世帯で「貯蓄2000万円以上」の人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄2000万円以上の割合
- 30%
1.2 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2026万円
- 中央値:700万円
1.3 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:21.0%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.5%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:1.9%
- 500~700万円未満:7.2%
- 700~1000万円未満:6.7%
- 1000~1500万円未満:6.8%
- 1500~2000万円未満:5.4%
- 2000~3000万円未満:9.5%
- 3000万円以上:20.5%
統計から「約3割」の世帯が貯蓄額2000万円以上を保有していることがわかりました。
60歳代には現役世代とリタイア世代が混在していますが、退職金を受け取って大幅に貯蓄が増える人もいます。
また、この貯蓄額には現金や預貯金だけでなく、株式や投資信託などの金融商品も含まれていることから、金融資産の価値が上がったことで、資産が増えた世帯もあるでしょう。
次章では、そんな「金融資産を保有している世帯」のみに絞って貯蓄額を見てみます。