2024年4月3日、厚生労働省が2024年1月分の生活保護の被保護者調査結果を公表。生活保護申請件数が前年同月比0.3%増の2万154件だったと明らかになりました。

また、これにより13ヶ月連続で前年同月の水準を上回る結果となりました。日用品などの物価高騰といった事由により、生活が苦しい世帯は依然増加中のようです。

苦しい世帯にとってはありがたいものかもしれませんが、地域差や生活保護を受けた際の義務、注意事項など見落とせないポイントもあります。

今回は、厚生労働省から公表された2024年1月分「生活保護」被保護者調査の結果から、生活保護の実態をみていきましょう。記事後半では、生活保護の制度や受給金額の実態について解説します。

1. 【速報】2024年1月「生活保護」被保護者調査の結果

まずは、最新の政府統計から「生活保護」の被保護者の現況をチェックしていきます。

厚生労働省が公表した「生活保護の被保護者調査(令和6年1月分概数)」には、以下のような結果が取りまとめられています。

1.1 被保護実人員:前年同月比0.2%減少

【写真全5枚中1枚目】生活保護:被保護実人員(保護停止中を含む)。
2枚目では生活保護の被保護者世帯数・世帯対軽蔑世帯数および割合を掲載。

【写真全4枚中1枚目】生活保護:被保護実人員(保護停止中を含む)

出所:厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和6年1月分概数)」

生活保護の被保護実人員は202万804人。これは、2023年同月に比べて0.2%減という結果でした。

ただし、同年前月と比較すると増加していることがわかります。

1.2 被保護世帯数:前年同月比0.4%増加

【写真全5枚中2枚目】生活保護:被保護者世帯数・世帯対軽蔑世帯数および割合

【写真全6枚中2枚目】生活保護:被保護者世帯数・世帯対軽蔑世帯数および割合

出所:厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和6年1月分概数)」

「生活保護」の被保護世帯は、保護停止中の世帯を含め165万2163世帯。前年同月に比べて7094世帯、0.4%増加している現状が見て取れます。

ちなみに、世帯類型別に保護を受けた世帯数(注1)をみると、高齢者世帯90万5327世帯、母子世帯6万5462世帯、障害者・傷病者世帯の合計で41万3041世帯でした。

(注1)月中、1日(回)でも生活保護を受けた世帯(保護停止中の世帯を除く)

1.3 「生活保護」申請件数と保護開始世帯の動向

【写真全5枚中3枚目】生活保護:保護の申請件数、保護開始世帯数

【写真全6枚中3枚目】生活保護:保護の申請件数、保護開始世帯数

出所:厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和6年1月分概数)」

2024年1月の生活保護の申請件数は全国で2万154件。昨年1月と比べて59件、割合では0.3%増加した形であり、前年の同月を上回るのは13ヶ月連続となりました。

また、新たに生活保護の受給を始めたのは1万6496世帯。こちらも昨年1月と比較して3.5%も増えているとわかります。

全体的に増加傾向とわかる、生活保護の利用状況。

生活保護を申請したい方へ向けた、厚生労働省の特設サイトにも「生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。」と書かれ‍‍、国民の権利であることが呼びかけられています。

そんな生活保護の内容と制度について、さらに詳しく見ていきましょう。