2024年度の公的年金は、前年度から2.7%の増額改定となりました。
公的年金は2ヶ月に1度、偶数月の15日(土日祝日の場合は直前の平日)に前々月分と前月分が支給されます。
6月に振り込まれる年金は4月分と5月分で2024年度分の初回支給となるため、これまでより少し多くなります。
しかし、年金の増額率は物価上昇率を下回るため実質目減りです。いまも物価は上昇し続けているため、年金額アップを実感しづらいかもしれません。
では、いまのシニア世代は年金を月額どれくらい受け取っているのでしょうか。
厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
1. 公的年金「国民年金・厚生年金」の仕組みをおさらい
日本の公的年金制度は「国民皆年金」であり、20歳以上の全ての人が加入する「国民年金」と、会社員などが加入する「厚生年金」による「2階建て」の構造になっています。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律(年度ごとに改定あり)
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
上記のとおり、現役時代の働き方によって加入する年金が異なります。
国民年金と厚生年金では受給額の差が大きく、厚生年金であっても大きな個人差が見られます。
では、実際に年金はどれくらい支給されているのでしょうか。
厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年齢別の平均年金月額を確認しましょう。