電気・ガス価格激変緩和対策事業が5月で終了したことを受け、6月以降の光熱費は上昇する見込みです。

例えば月間使用電力量が400kWhの場合、4月までの値引き額は1400円、5月の値引き額は720円でした。これが継続的になくなるとあれば、年間の支出額はぐっと高まるでしょう。

加えて物価高も近年続いており、6月の値上げは600品目を超えるようです。1年限りの定額減税があるとはいえ、賃金上昇がなかなか伴わない今、家計のやりくりが非常に重要になります。

では、年金生活に入った人が多いと想定される70歳代の貯蓄事情はどのようになっているのでしょうか。

実は、単身世帯において貯蓄100万円未満が32.5%もいることがわかりました。

今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、70歳代・ひとり世帯の貯蓄額をみていきます。

1. 70歳代の単身世帯「貯蓄100万円未満」は32.5%もいる

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」という資料では、さまざまな世帯ごとの貯蓄事情がわかります。

こちらによると、70歳代の単身世帯の貯蓄額は平均で1529万円であることがわかりました。

1.1 70歳代単身世帯の貯蓄額平均と中央値

  • 平均:1529万円
  • 中央値:500万円

1.2 貯蓄100万円未満の割合

  • 32.5%

1.3 うち「貯蓄なし」の割合

  • 26.7%

貯蓄100万円未満は32.5%ですが、このうち数万円でもある世帯は5.8%、まったくない世帯は26.7%です。

一方、貯蓄3000万円以上の世帯は17.3%となりました。

平均額と中央値が乖離している様子からも、「貯蓄がある人」「貯蓄がない人」の格差がうかがえます。

70歳代では多くの人が年金生活に入っているため、現役時代での備えや退職金の有無、相続の有無等で格差が開いたと考えられます。