2. 65歳でリタイアした夫婦「平均収支は赤字」の現状
「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支は下記の通りになりました。
2.1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支
- 実収入:24万4580円
- 可処分所得:21万3042円
- 消費支出:25万959円
可処分所得から消費支出を引くと毎月「約4万円」の赤字が出る計算になります。
さらに、総務省による本調査の「住居費」は1万円台となっており、持ち家世帯が多いと想定されます。もし賃貸住宅に住む世帯の場合は、さらに大きな費用がかかるでしょう。
もし平均的な収支である場合、月々の赤字は4万円に迫るので、2.7%の増額で赤字が賄えるとはいい難いでしょう。
さらに物価上昇により、支出額が増える可能性もあります。年金生活になれば、やりくり力や相応の貯蓄が必要になります。
さらに「年金の振込額」にも注意しましょう。天引きされるため、手取りは少なくなるのです。
3. 6月送付の「年金振込通知書」でわかる年金の手取り額
6月には「年金振込通知書」が送付されます。ここには年金の額面、天引きされるお金、最終的な振込額などが記載されるため、必ず確認しましょう。
3.1 (1)年金支払額
ここには1回に支払われる年金額(控除前)が記載されます。月額ではなく、2ヶ月分であることに注意しましょう。
3.2 (2)介護保険料額(※)
ここには年金から特別徴収(天引き)される介護保険料額が記載されます。
介護保険料とは、公的介護保険制度に加入するすべての方が支払う義務のある社会保険料です。65歳以上は第1号となり、健康保険料とは切り離して単独で支払います。
3.3 (3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)(※)
ここには、年金から特別徴収(天引き)される後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)の金額が記載されます。
ただし、特別徴収(天引き)されるときに表示されるため、記載がない方もいます。
3.4 (4)所得税額および復興特別所得税額
年金支払額から社会保険料と各種控除額(扶養控除や障害者控除など)を差し引いた後の額に5.105%の税率を掛けた額が記載されます。
なお、遺族年金や障害年金は非課税です。
3.5 (5)個人住民税額(※)
年金から特別徴収(天引き)される個人住民税が記載されます。前年の年金所得にかかる分だけが計算対象です。
3.6 (6)控除後振込額
年金額から特別徴収(天引き)される社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額を差し引いた後の振込金額が記載されます。
いわゆる手取り金額となるため、必ずチェックするようにしましょう。
3.7 (7)振込先
年金が振り込まれる金融機関の支店名が表示されます。年金請求から日が経っている場合、どこの金融機関に届け出たか忘れるケースもあるので、念の為確認しましょう。
支店には、支店のほか支所、営業所、出張所等が含まれます。
年金振込通知書には、6月から翌年4月(2カ月に1回)まで毎回支払われる金額が記載されますが、(※)がついている項目は8月以降の予定額として6月の額が記載されます。
毎年6月に送付される「年金振込通知書 」に、6月から翌年4月までの期間に振り込まれる年金額が記載されていますので、手元に届いた際は早めに確認しましょう。
最後に、実際に2022年度に支給された年金の平均額を見ていきます。個人差や男女差に注目してみましょう。