2024年度の公的年金の支給額は、2023年度に比べて2.7%引き上げとなりました。

公的年金を受給する人で、配偶者や子どもを扶養している場合、公的年金に上乗せされる「加給年金」があります。

受給要件や支給額はいくらなのでしょうか。

今回は、加給年金について解説します。

記事の後半では、振替加算についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 加給年金とは

加給年金は、65歳で年金を受給した人が配偶者や子どもを扶養している場合に支給される年金です。

加給年金の受給要件や支給金額について、それぞれ確認しましょう。

1.1 加給年金の受給要件と対象者

加給年金の受給対象者は、厚生年金を受給している65歳以上の年金受給者です。

そのため、会社員や公務員といった、厚生年金の受給資格がある人に支給されます。

詳しい支給要件は、以下の通りです。

  • 厚生年金の被保険者期間が20年以上
  • 配偶者が65歳未満
  • または、生計を維持する18歳以下の子どもがいる、または20歳未満かつ1級・2級の子どもがいる

では、2024年度は加給年金の支給金額がいくらになるか確認しましょう。

1.2 加給年金の支給金額

加給年金の支給額は、配偶者や子どもの人数によって異なります。

それぞれの支給額は、以下の通りです。

  • 配偶者:23万4800円
  • 1人目・2人目の子:各23万4800円
  • 3人目以降の子:各7万8300円


加給年金の金額は、各年度で改定が行われます。

仮に対象となる配偶者と子ども1人を扶養している場合、加給年金額は合計で46万9600円です。

さらに、加給年金を受ける人の生年月日によっては、特別加算による加給年金の上乗せがあります。

  • 1934年4月2日から1940年4月1日:3万4700円
  • 1940年4月2日から1941年4月1日:6万9300円
  • 1941年4月2日から1942年4月1日:10万4000円
  • 1942年4月2日から1943年4月1日:13万8600円
  • 1943年4月2日以後:17万3300円


年齢が若いほど、特別加算される金額は多くなります。

先ほどの例で、加給年金を受給する生年月日が1958年生まれだと、以下の通りです。

配偶者と子どもの加給年金(46万9600円)+特別加算(17万3300円)=64万2900円

以上から、対象となる配偶者や子どもを扶養している場合、加給年金が支給されることがわかりました。

次章では、加給年金を受ける場合の注意点について確認しましょう。