「増税」「光熱費高騰」「物価上昇」「円安」についてのニュースが多い今の世の中。このようなニュースを見ると良いイメージを持つ方は少ないのではないでしょうか。
今までと同じような生活を送っているのも関わらず、支出額が増えている家庭も多いでしょう。
日本の平均給与は1990年から横ばいであり、収入増加が見込めない状況で支出額が増え続ければ、収支は赤字になっていきます。
もうすぐゴールデンウイークも始まり、さらなる支出増加が予想されます。どの年代でも家計の収支が赤字である家庭は存在するでしょう。
今回は65歳以上世帯に焦点を当てて、「貯蓄・年金・支出」の現状や解決方法について解説をしていきます。
記事の後半では、子世帯が親世帯に「仕送り」する割合や金額も確認していきます。
1. 65歳以上の夫婦世帯「平均貯蓄額」はいくら?老後の暮らしぶり
まずは65歳以上世帯における貯蓄額を見ていきます。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、65歳以上世帯のうち「二人以上世帯」の貯蓄額平均は2414万円となりました。
2414万円と聞くと、多い印象を抱く方も多いでしょう。一時期話題となった「老後2000万円問題」もクリアできているようですね。
ただし、中央値まで見るとその様相は変わります。
- 貯蓄平均値:2414万円
- 貯蓄中央値:1677万円
平均値と中央値がここまで乖離する理由として、一部の富裕層世帯が平均値を引き上げていると考えられます。
内訳を見ると、貯蓄額2000万円を超える世帯が全体の42.5%を占めている一方で、貯蓄額1000万円に満たないシニア世帯は約36%です。さらに、100万円未満という世帯は7.8%となりました。
年代別に見ると、年代が上がるにつれて平均貯蓄額があがる一方で、負債現在高が減少している様子もわかります。
49歳までは、貯蓄額よりも負債額が上回っています。50~59歳になると、貯蓄1828万円に対し負債が620万円と大きく逆転する形に。
住宅ローン等の負債が落ち着くことを考えると、たとえ年金生活になって収入が減っても、収支が保てているシニア世帯も多いと予想されます。
では、子世帯が親の援助をするケースは多いのでしょうか。
2. 親に仕送りをしている世帯は多い?平均額はいくらか
厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」によると、親に仕送りをしている世帯は調査対象世帯の約2.1%となりました。
金額の現状は次のとおりです。
- 総数:104万7000世帯
- 2万円未満:12万8000世帯
- 2~4万円:31万3000世帯
- 4~6万円:21万4000世帯
- 6~8万円:6万6000世帯
- 8~10万円:4万2000世帯
- 10万円以上:19万7000世帯
- 不詳:8万8000世帯
- 1世帯当たり平均仕送り額:5万6000円
1世帯当たりの平均仕送り額は5万6000円です。中には10万円以上仕送りをしているという世帯も19万7000世帯にのぼり、全体の18.8%を占めているようですね。
親世帯に援助をするケースとして、貯蓄が少ない、あるいは年金が少ないケースが考えられます。
次章では、平均的な年金額について確認します。