3. 70歳代のうち「住民税非課税世帯」に該当するのは何パーセント?
厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」によると、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)は次の通りとなりました。
- 60歳代:19.2%
- 70歳代:34.9%
- 80歳代:44.7%
年齢を追うごとに、住民税非課税世帯の割合が増えていることがわかります。
すべての「住民税非課税世帯」を母数とした場合、70~79歳が占める割合は37%、80歳以上が占める割合は29%。これらを合わせると、66%にものぼります。
この理由は、年金以外の労働収入が減るためと考えられます。年金生活に突入すると収入は下がることが一般的であり、そうして世帯収入が下がると住民税非課税世帯に該当しやすくなるのでしょう。
また、年金収入の控除額は給与の所得控除よりも大きく、所得としてあがりにくことも一因といえるでしょう。
現役世代は、副業や残業によって収入を増やす方法はいくつかあるものの、高齢になれば年金に頼るしかないケースもあるでしょう。こうした方にとって、昨今の給付金は心強く支えとなる存在なのではないでしょうか。
とはいえ、70歳が少ない年金で苦しい生活を送っているともかぎりません。それは、保有資産が住民税の判定に影響しないためです。
次の章では、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から70歳代の貯蓄事情を見ていきましょう。