資産価値を保つマンションを購入するために持っておきたい3つの視点

土地には、経年劣化がありません。それは建物が価値を失っていったとしても、土地の価値は残り続けるということです。不動産における資産価値のベースはこの土地で決まります。土地の価格は、公的な機関も含め以下の6つの算出方法から確認することができます。

  • 実勢価格・・・売出中、直近成約の事例を参考に不動産会社など取引を行う業者によって算出される。
  • 公示地価・・・土地取引の指標として、国土交通省によって算出される。
  • 基準地価・・・一般の土地取引の指標として、都道府県知事によって算出される。
  • 固定資産税評価額・・・固定資産税などの課税のために市町村や都税務署によって算出される。
  • 相続税路線価・・・相続税や贈与税における課税額の指標として、路線ごとの価格が国税庁によって算出される。
  • 鑑定評価額・・・国土交通省が提供する鑑定評価基準を元に不動産鑑定士によって算出される。

上記の中で、大事なのは「実勢価格」です。なぜなら、資産価値は実勢価格を参考にして評価されるからです。

具体的に立地条件は以下の5つの項目で評価しましょう。

  • 交通利便性
  • 生活利便性
  • 安全性
  • 開発計画、再開発計画
  • ブランド力(街、地域)

この5つの条件が揃うほど、市場での需要が高まり、評価は高くなります。

それでは、各項目について解説していきます。

1.交通利便性

「駅近」「駅直結」「駅徒歩5分以内」という言葉がアピールポイントとされることが多い点からも分かる通り、駅距離は資産価値に直結する最重要条件です。

駅から1分離れるごとに坪単価で約4万円ほど下がると言われているので、距離が近いほうが資産価値は維持できる可能性が高いです。

特に、駅直結のマンションは、稀少性が高く、資産価値は右肩上がりとなる傾向にあります。実際の事例でも、新築価格から1.5〜1.8倍まで価格が上昇したケースもあるほどです。

しかしながら、実際にはそのような好立地すぎるマンションは購入のハードルが非常に高いですよね。資産価値という点では「徒歩9分」までを確保できれば問題ないでしょう。その理由としては、徒歩9分と徒歩10分の間には大きな坪単価の下落幅が見られるためです。坪単価で12万円ほど価値が下がるとも言われています。

駅徒歩に加えて重要な要素が、人気沿線やターミナル駅へのアクセスの良さです。

【人気沿線】

  • 山手線:東京の環状線で、沿線内側はいずれもブランドエリア。都内の主要都市へどこでも30分程度でアクセス可能。
  • 中央(総武)線:山手線内エリアはもちろん、吉祥寺や中野といった人気駅があり、新宿や東京へ乗り換えなしでアクセス可能。
  • 田園都市線:三軒茶屋、二子玉川、たまプラーザなど人気駅が並び、渋谷へ乗り換えなしでアクセス可能。
  • 東横線:自由が丘など人気駅や田園調布など高級エリアが並び、横浜と渋谷へ乗り換えなしでアクセス可能。

【ターミナル駅】

  • 東京駅:在来線、新幹線、地下鉄合計30路線が乗り入れ、1日3000本の発着が行われている。商業施設も充実しており東京ドーム3.6個分の面積に相当する。
  • 品川駅:在来線、新幹線、私鉄合計6路線が乗り入れ、2027年にはリニア中央新幹線の乗り入れも計画されている。
  • 渋谷駅:在来線、私鉄、地下鉄合計9路線が乗り入れ、現在再開発計画が実行されており、さらなる利便性の向上が見込まれる。
  • 新宿駅:在来線、私鉄、地下鉄合計10路線が乗り入れ、1日平均乗降者数はギネス認定の世界一。

なお、ターミナル駅へのアクセスは「30分以内」が望ましく、乗り換えなしでの到着であることも大事です。

この他にも池袋、上野といったターミナル駅も人気ですし、最近では日暮里も注目を集めています。さらに、ターミナル駅ほどではなくても、複数路線が利用可能な駅や始発駅・急行や快速の停車駅は、通勤メリットが大きく評価を受けやすいです。

2.生活利便性

日常生活を快適に過ごせる施設が徒歩10分以内に揃っているほど利便性が高いので、マンションの資産価値は高くなります。下記のような施設が全て揃っていると間違いなく資産価値が高いと言えます。

  • イオンやヨーカドーなどの大型スーパーまたは商店街
  • 日用品が揃っている大型の薬局
  • 大手金融機関
  • 郵便局
  • 区役所などの行政機関
  • 夜間診療対応もしている総合病院
  • 小児科
  • 大きな公園
  • 人気な学校
  • 保育所

しかしながら全部揃えることは難しく、やはり必須条件となるのはスーパーもしくは商店街が近いことです。最寄りのスーパーの規模によっては、日用品が揃う薬局なども追加条件となるでしょう。

生活必需品の買い物が不便な立地は、評価を落とすので注意が必要です。一部で、開発計画が発表されていたり、出店の予定があるなどで、周辺環境の発展が見込めるエリアに関しては、将来的な資産価値上昇を見込むことはできます。

また、都心部は緑豊かな環境を求めることが難しいため、大きな公園が近くにあることや大規模マンションなどで保育所が設置されていて優先的に入園できるといったことも高い評価を得られます。

一定のニーズが見込めるという視点では、有名私立小中学校へ徒歩圏内や人気公立小学校の学区内に住むことができるのは魅力であると言えます。

3.安全性

安全性は、以下の2つの側面から評価することができます。

  • 災害リスクを最小限にする地形や地盤
  • 事故・事件の発生率

日本は地震大国ですし、災害リスクは避けては通れません。そういった側面から評価が高いのは「武蔵野台地」にあたるエリアです。

武蔵野台地とは多摩川と荒川に挟まれた関東平野西部の地域に広がる扇状地のことです。

奥多摩の山地を削りながら流れてきた多摩川によって形成されたこの基盤の上に十数メートル「関東ローム層」が堆積してできました。約1万年前までに、富士山などが噴火が繰り返して、火山灰が降り積もり、さらに、それらが風化して粘土質の赤土の層となりました。

長い年月をかけてつくられた地盤で、古くから関東地方の生活を支えています。地層としても固く、地震に強いとも言われています。

東日本大震災を機に、津波に対する認識が改められ、海抜も今後は影響を与える可能性があります。

この視点から見ると近年人気を集めている湾岸エリアは、資産価値は大丈夫なの?という疑問が生まれますが「安全性」はあくまで一つの要素です。

冒頭に解説した「求められる要素」として、安全性以上に眺望や今後の開発計画による資産価値の向上を優先される方も非常に多く、評価は分かれます。危険度マップなどを参考にしてみてください。

災害とは別に、治安の良さも影響する可能性はあります。事件・事故の発生件数は、警視庁の統計データから確認することができますので、気になる方は調べておくと良いかもしれません。

事件・事故に関して一言で言うなら「発生率の低さ」で考えるのがおすすめです。事故の発生件数だけで見ると人口の密集度合いなどに大きく影響を受けるためです。

安全性に関しては、極端に治安が悪いと認知されている地域や地盤沈下、津波の影響があると市区町村が発表している土地でなければ問題はありません。

4.再開発計画

土地の評価が大きく変わる起因として、街の進化や再生があります。将来的な資産価値は、こうした鉄道各社や行政による開発・再開発プロジェクトに目を向ける必要があります。

資産価値が長期間安定する街の特徴は、この再生・再開発計画が発表、実行されており、好循環で発展を続けています。また、商業施設だけの開発ではなく、緑地とのバランスも重要です。

現在、2020年の東京オリンピックに向けて新国立競技場の建設が進んでいますが、その近くの築年数の古いマンションでは資産価値上昇を見越して建替えを検討しているところもあるくらいです。

東京都都市整備局によると、市街地再開発事業で現在事業中地区が40、予定地区が12あります。事業中地区は「既に工事が始まっている地区」、予定地区とは「事業決定はしているが工事がまだ始まっていない地区」の事です。

まずは事業中地区から見ていきましょう。

  • 東京駅周辺
  • 豊洲、晴海周辺
  • 虎ノ門、赤坂周辺
  • 田町駅前
  • 四谷駅前
  • 春日、後楽園駅前
  • 目黒駅前
  • 武蔵小山駅前
  • 渋谷周辺
  • 十条駅前
  • 国分寺駅前
  • 武蔵小金井駅前

こうしてみると、駅前の再開発が多いことが分かります。駅前施設のリニューアルにより、利便性が向上して資産価値が上がるというのはよくあることです。工事に着手しているエリアは既に値段が上がっているところもありますので注意が必要です。

続いて、予定地区をご紹介します。

  • 三田小山町西地区

港区三田周辺の再開発第3弾であるこの計画は住宅3棟、事務所棟1棟の計4棟の計画です。2019年度に着工し、2023年の完成予定です。

  • 浜松町駅、大門駅前

こちらも港区。住宅棟と文化芸術ホール等の建設が予定されており、2018年度着工、2021年完成予定です。

  • 中野駅前

中野駅南口に住宅棟1棟、事務所棟1棟の計2棟の超高層ビルの建設が予定されています。2019年度に着工し、2022年の完成予定です。

  • 上板橋駅

上板橋駅南口に住宅や店舗の入る超高層ビル含む3棟の建設を予定していますが2017年7月時点で建築費の高騰により、事業計画の見直しが入っています。

  • 立石駅

立石駅北口に住宅棟及び庁舎の建設が予定されています。2019年度着工、2022年完成予定です。

以上が予定地です。着工や完成はあくまで予定の為、変更になる可能性もありますが街が良くなっていくのは明らかです。こうして再開発が決定したタイミングは買い時と言えるでしょう。

5.街のブランド力

ここまで解説してきたものを総合して、各街や地域が持つブランド力は土地の資産価値をさらに高めます。歴史的な背景や市区町村などの行政的な取り組みも含んだ、地域ならではの魅力がそれに該当します。

不動産価格は常に揺れ動くものです。このブランド力が「憧れる」「誰もが欲しいと思う」「多くの人が住みたがる」というニーズをどんな時も集めることができ、ブランドがないエリアに比べて価格の下がり幅を小さくしてくれるのです。

東京都内の資産性の高いブランドエリアとして有名な地域としては、以下を挙げることができます。

  • 城南エリア:旧江戸城(皇居)の南側に位置する港区、目黒区、品川区、大田区をさし、いずれも高い人気を誇る
  • 3Aエリア:港区の高級住宅街である麻布、赤坂、青山の通称で城南エリアでも別格の人気を誇る
  • 世田谷エリア:成城などの言わずと知れた高級住宅街で古くから富裕層の街として知られている
  • 湾岸エリア:最近は開発も進み、ホテルライクで築浅の豪華なマンションが並び人気が高まっている

ブランドエリアは、他のエリアに比べ、所得に余裕のある層が集まるため、商業施設が集まりやすいです。そのため、必然的に街全体が絶え間なく洗練されていくという好循環にあります。こうして培われたブランド力をさらに高めるかのように再開発が進んでいる街は、資産価値は継続して上がることが考えられます。

物件自体の魅力も資産性に関わる要素

参考記事

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執筆者
マンションジャーナル

中古マンションをかしこく購入、売却できるサービス「カウル」を提供する、株式会社Housmartが運営。有名マンションの特集記事、中古マンション売買ノウハウの解説記事を中心に発信中。