2022年度に60歳で定年退職した国家公務員のうち、5人に1人は「常に赤字で生活が苦しい」と回答。

2024年3月に人事院が発表した資料によると、退職後の家計を「常に赤字で生活が苦しい」とした人は18.2%にも上りました。

「時々赤字」23.3%を合わせると41.5%で、多くの人が定年後も働き続けますが、低下した給与に不満を抱えてることが分かっています。

そんななかで「公務員は一生安泰」「余裕で退職金2000万円以上出る」という声も聞かれます。

では、その実態はどうなのでしょうか。今回は、公務員の退職金やセカンドライフについて考えてみたいと思います。

1. 国家公務員の定年退職金はいくら?

公務員は、国や自治体に勤務し、営利を目的とせず社会作りを仕事としている人を指し、「国家公務員」と「地方公務員」に区分されています。

それぞれの具体的な職種は下記のとおりです。

  • 国家公務員:自衛官、裁判官、検察官、国会議員、大使
  • 地方公務員:教員、役場職員、警察官、消防官、自治体議員

今回の記事では国家公務員の退職金について紹介していきます。

内閣官房の退職金に関する調査によると、国家公務員の退職金は下記のとおりです。

【写真全2枚中1枚目】【国家公務員】理由が「定年」である退職者の受給者数と平均支給額。2枚目では勤続年数別に退職金を比較

【国家公務員】理由が「定年」である退職者の受給者数と平均支給額

出所:内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」をもとにLIMO編集部作成

【退職理由が「定年」の国家公務員の受給者数と平均支給額】

《常勤職員》

  • 受給者数:1万4283人
  • 平均支給額:2112万2000円

《うち、行政職俸給表(一)適用者》

  • 受給者数:4086人
  • 平均支給額:2111万4000円

常勤職員、行政職俸給表(一)適用者ともに、平均支給額が2000万円以上であることから、国家公務員の退職時の退職金は2000万円を超える可能性が高いといえます。

一方、最近では就職氷河期世代を対象とする採用が積極的に行われるなど、中途採用の職員も増えており、退職時の勤続年数にもばらつきがあります。

では、勤続年数によって退職金はどのくらい異なるのでしょうか。

次に勤続年数ごとの定年退職金の実態を見ていきましょう。