老後の生活を安心して送るために欠かせない要素の一つが公的年金。現役を引退した人にとって、生活を支える要となります。
今年は5年ぶりに年金の「財政検証」が実施され、制度の維持に向けた改正が議論されます。
では、今の高齢者はどれほどの年金を受給しているのでしょうか。直近の年金支給日は4月15日でしたが、この日「30万円の年金」を受け取れたのはどのような人なのか検証していきます。
記事の後半では、厚生年金の受給額平均・ボリュームゾーンについても見ていきましょう。
1. 公的年金のしくみ「国民年金と厚生年金」を整理
日本の公的年金には「国民年金と厚生年金」があり、2階建て構造となっています。そもそも1階部分の国民年金にしか加入していない場合、4月15日にひとりで30万円の年金が支給されたということはほぼないでしょう。
1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)
- 日本に住む20歳から60歳までのすべての人が原則加入
- 保険料は全員一律で、40年間欠かさず納めれば満額の老齢基礎年金が受け取れる
1.2 2階部分:厚生年金
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
- 加入期間や、収入(上限あり)に応じて保険料や将来の受給額が変わる
もらえる年金としては、老齢年金、遺族年金、障害年金があります。
今回は老後にもらえる身近な年金として、老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金の受給額に迫ります。
まずは、4月15日にひとりで「月額30万円の年金」を受け取れたのはどんな人なのか確認しましょう。