公務員と言えば「安定している職業」の代表格として皆様思い浮かぶのではないでしょうか。
実際には業種や職種によって異なる給与事情。そのなかで公務員は給与も安定しており、定年時にはまとまった退職金を受け取れることから安泰だというイメージがもたれています。
しかし、最新の統計では国家公務員のうち「定年退職後も働きたい人」というは83.3%もいることがあきらかになっています。それでいて公務員には副業の制限があり、本業以外での収入を得ることが非常に難しい職種と言えるでしょう。
今回は、公務員の退職金の現状を深堀りします。記事の後半では「公務員が副業の代わりに新NISAを利用すること」について掘り下げてみましょう。
1. そもそも「国家公務員」と「地方公務員」の違いとは?
公務員とは、国や自治体に勤務し、営利を目的とせず社会作りを仕事としている人を指します。
さらに「国家公務員」と「地方公務員」に区分されており、それぞれの具体的な職種は下記のとおりです。
- 国家公務員:自衛官、裁判官、検察官、国会議員、大使
- 地方公務員:教員、役場職員、警察官、消防官、自治体議員
2022年度時点で、公務員全体335万3000人のうち国家公務員は約58万9000人となっており、全体の17.6%を占めています。また、地方公務員は都道府県や自治体によっても給与水準が異なります。
今回は、公務員における「定年退職後の就労希望状況」の調査結果や退職金事情について見ていきます。
2. 公務員の平均退職手当:「国家公務員」と「地方公務員」の差額は?
まずは「国家公務員」と「地方公務員」の平均退職手当を見てみましょう。
2.1 国家公務員:平均退職手当(受給権者数・平均支給額)
<常勤職員>
- 受給者数:1万4283人
- 支給額:2112万2000円
<うち行政職俸給表(一)適用者>
- 受給者数:4086人
- 平均支給額:2111万4000円
2.2 地方公務員の平均退職手当
<全職員>
- 定年退職(勤続25年以上):2181万1000円
- 勧奨(勤続25年以上):2153万3000円
- 自己都合:234万7000円
国家公務員と地方公務員の平均退職手当は上記の通り。どちらも2000万円を超えていますが、実際の金額は職種や勤続年数、勤務地などによって大きく異なります。
そのため、あくまでも平均金額である点に留意しましょう。
退職金2000万円はかなり大きい金額といえます。しかし、その裏側では「定年後も働きたい」と考える人が増えてきているようです。
次の章で、調査結果と回答のワケを深堀りしていきましょう。