2. 年齢階級別・企業規模別の平均賃金
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」から、年齢階級別の平均賃金を見てみます。
2.1 <男性>
- 55~59歳:42万7400円
- 60~64歳:33万4200円
- 65~69歳:29万3300円
2.2 <女性>
- 55~59歳:28万1700円
- 60~64歳:24万6600円
- 65~69歳:21万7100円
企業規模別の平均賃金は以下の通りです。
2.3 <大企業の男性>
- 55~59歳:49万3800円
- 60~64歳:34万4100円
- 65~69歳:33万900円
2.4 <大企業の女性>
- 55~59歳:29万8500円
- 60~64歳:25万700円
- 65~69歳:20万1800円
2.5 <中企業の男性>
- 55~59歳:41万7100円
- 60~64歳:33万4400円
- 65~69歳:29万2200円
2.6 <中企業の女性>
- 55~59歳:28万3700円
- 60~64歳:24万9500円
- 65~69歳:22万6100円
2.7 <小企業の男性>
- 55~59歳:36万1100円
- 60~64歳:32万5300円
- 65~69歳:27万9400円
2.8 <小企業の女性>
- 55~59歳:26万1000円
- 60~64歳:23万9300円
- 65~69歳:22万1500円
55~59歳までの賃金と60~64歳までの賃金を比較すると、2~3割前後減少することがわかります。
企業によっては、「定年前と仕事内容が変わらないのに給与が大幅に減少する」といったケースもあるのが現状です。
3. すべての企業で「65歳までの雇用確保」が義務化されるが・・・
ここまでの資料からわかるように、就業率の伸びや就業意欲の高まりとは裏腹に、60歳以降の非正規雇用者率が増加し、給与が減少する傾向にあります。
2025年4月からは、全ての企業で「65歳までの雇用確保」が義務付けられますが、これは65歳までの定年延長だけではなく、継続雇用制度の導入など他の方法で対応することも可能です。
そのため、全ての企業がマツダのように定年を延長するわけではなく、定年後の待遇や仕事内容は企業によって大きく異なります。
シニア世代がより長く働けるような環境は整いつつありますが、企業にとっては人件費の増加や組織の高齢化などのデメリットも存在します。そのため、「同一労働同一賃金」の原則が適用される企業はまだ少ないのが現状です。
参考資料
加藤 聖人