2024年1月からスタートした新NISA。従来のNISA制度よりも、より長期投資に向いている制度となりました。

株式会社バイアンドホールドの「新NISA利用の実態調査」のデータによると、2024年2月段階で新NISA口座を開設している人の割合は約6割。なかなかの利用率といえるでしょう。

世間的にも認知度の高い新NISAですが、「利益がどう出るのかわからない」と始められていない人もいるようです。たとえば「つみたて投資枠」上限額である10万円を毎月積み立てるとどういった結果が見込めるのでしょうか。

今回は新NISAの概要をおさらいし、実際に新NISAを利用したときのシミュレーション結果も掲載。記事の後半では「毎月10万円」のシミュレーション結果をまとめているので参考にしてみてください。

1. 【おさらい】新NISA制度「5つの改正ポイント」を整理!

まずは、新NISA制度の概要と改正された主なポイントをおさらいしていきましょう。

【写真全3枚中1枚目】新NISAの概要。2枚目では「毎月10万円」積み立てたときのシミュレーション結果を掲載。

新NISAの概要

出所:金融庁「新しいNISA」

1.1 【新NISAのポイント1】非課税保有期間の無期限化

現行のNISA制度では最長20年だった非課税保有期間が、新NISAでは無期限に。

1.2 【新NISAのポイント2】口座開設期間の恒久化

現行NISAの口座開設期間は2023年まででしたが、新NISAは生涯使える制度に変わります。

1.3 【新NISAのポイント3】つみたて投資枠と、成長投資枠の併用が可能

現行NISAでは「一般NISA」と「つみたてNISA」のどちらか1つしか使えませんでした。

一方、新NISA制度では「成長投資枠(一般NISAの後継)」と「つみたて投資枠(つみたてNISAの後継)」の併用が可能になります。

1.4 【新NISAのポイント4】年間投資枠の拡大

新NISAの年間投資可能額は、成長投資枠は240万円(現NISAでは120万円)、つみたて投資枠では120万円(現NISAでは40万円)まで増えます。

二つの投資枠を併用した場合、年間投資可能額の合計は最大360万円です。

1.5 【新NISAのポイント5】非課税保有限度額は、全体で1800万円

一般NISAでは600万円、つみたてNISAでは800万円だった非課税保有限度枠は、新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠をの合計で1800万円まで広がります(うち成長投資枠が1200万円)。

また、新NISAでは商品を売却して空いた枠の再利用ができるようになります。

2024年から始まる新しいNISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という、2つの枠があります。つみたて投資枠の年間投資枠は120万円。この枠を埋めるために、毎月10万円ずつ投資するケースについてみていきましょう。

次章からは、実際に積立投資を始めた場合のシミュレーション結果を載せていきます。