老後の生活資金として年金を受け取るというのは周知の事実かと思いますが、いくら受け取れるのかを詳しく知る人は少ないかもしれません。

老後は「公的年金が受け取れるから安心」と思いたいところですが、果たして本当に年金だけで老後の生活は安心できるのでしょうか。

厚生年金は人によって受け取れる金額も異なることから、個人差も出てくることでしょう。

そこで今回は、いまのシニア世代がいくらの公的年金をもらっているのか、60歳~89歳の方たちの「厚生年金と国民年金」確認していきましょう。

まずは公的年金の仕組みから確認していきます。

1. 国民年金と厚生年金の仕組み「2階建て構造」をわかりやすく解説

まずは日本の公的年金の仕組みを確認しましょう。

日本の年金制度のしくみ

日本の年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階部分は国民年金

1階部分に位置するのは国民年金です。

日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に原則として加入義務があることから、基礎年金とも呼ばれています。

働き方により、大きく次の3つに分けられます。

  • 第1号被保険者:自営業や20歳以上の学生など
  • 第2号被保険者:会社員や公務員など
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者など

このうち第1号被保険者は自分で保険料(一律)を納めます。納付した期間に応じて将来もらえる老齢基礎年金額が決まるため、個人差はそこまで大きく出ません。

1.2 2階部分は厚生年金

2階部分に位置するのは厚生年金です。国民年金加入者のうち、第2号被保険者が加入します。

厚生年金の保険料は一律ではなく、収入に応じた保険料を支払います。そのため、加入期間や納付額に応じて将来もらえる厚生年金額には個人差があるのが特徴です。

ただし保険料は上限があるため、理論上は年収約1200万円以上を超えると年金額がほとんど変わらなくなります。

このように、現役時代の働き方によって加入する年金が異なります。その結果、将来受給する年金水準も異なるという点をまず押さえておきましょう。

それでは、今のシニアはどれほどの年金を受給しているのでしょうか。年金には遺族年金や障害年金などもありますが、今回は老齢年金に着目し、年齢別の受給額平均を見ていきます。