国家公務員の定年は段階的に引き上げられる予定ですが、65歳まで引き上げられるのはまだ先の話です。
国家公務員として働く方の中には「定年退職後も働きたい」と思っている方も多く、人事院の「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」によると、定年後も働きたいと思った国家公務員の割合は83.3%であったとのことです。
今回は、定年退職後も働き続けたいと思った年齢や希望の勤務形態、働きたいと思った理由について見ていきます。
記事の後半では、国家公務員の平均退職手当を退職理由別・勤続年数別に記載しています。
1. 定年退職後の就労希望状況
人事院は2024年3月、「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」を公表しました。こちらの資料から、国家公務員が定年退職後の生活について考えていることを見ていきましょう。
1.1 定年退職後に働き続けたいと思った年齢
<定年退職後に働き続けたいと思った年齢>
- 65歳まで働きたい:45.1%
- 年齢に関係なく、働けるうちはいつまでも働きたい:24.0%
- 70歳まで働きたい:12.2%
- 特に決めていない:17.3%
- その他:1.2%
- 不明:0.1%
65歳まで働きたいと回答した方の割合は45.1%となっており、年齢に関係なく、働けるうちは働きたいと思っている方も2割以上いるようです。
1.2 働きたいと思った勤務形態
<定年退職後に働きたいと思った勤務形態>
- フルタイム勤務:55.1%
- 短時間勤務:33.9%
- 問わなかった:10.8%
定年退職によって一区切りついたことで、仕事量を減らしたいと思った方や、健康状態を考慮する方などもいらっしゃるのでしょう。
1.3 定年退職後も働きたいと思った理由
<定年退職後も働きたいと思った理由(複数回答)>
- 日々の生計維持のために必要:85.7%
- 社会との接点や生活の張り・生きがいを持ちたい:44.0%
- 経済的により豊かな生活を送りたい:38.1%
- 仕事を通じて社会や職場に貢献したい:34.4%
- 健康維持のために必要:31.4%
- 資格・技術を活用したい:9.7%
- その他:2.0%
- 不明:0.0%
最も割合が多かった回答は「日々の生計維持のために必要」となっており、同じく経済的な面での理由も見られます。
「社会との接点や生活の張り・生きがいを持ちたい」「仕事を通じて社会や職場に貢献したい」といった理由も見られますが、経済的な理由に比べれば少数です。
一般的に、国家公務員は安定性が高いイメージがあり、「十分な退職金を受け取れるのでは?」と思う方もいるでしょう。続いて、国家公務員の平均退職手当を見てみましょう。