3. 貯蓄ゼロが約4割。50歳代単身世帯の貯蓄割合
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、50歳代単身世帯の貯蓄割合は下記グラフの結果となりました。
貯蓄2000万円以上の割合は全体の約1割となっており、老後に向けた資金を十分に準備できている世帯は少数であることがわかります。
一方で、金融資産非保有世帯(貯蓄ゼロ世帯)と貯蓄100万円未満の世帯は全体の約5割を占めています。
上記のことから、50歳代 単身世帯の多くの世帯では老後資金の準備が不十分となっており、2人に1人は貯蓄がほとんどないことがうかがえます。
4. 第二次ベビーブーム世代「50歳代」の貯蓄が少ないのはなぜ?
前章でもお伝えしたように、50歳代においては「貯蓄ができている世帯」と「できていない世帯」で二極化傾向となっています。
二極化傾向にある理由はさまざまですが、1つの背景として50歳代には「就職氷河期世代」が含まれており、この世代はバブル崩壊後の不景気により就職難になる人が続出しました。
第二次ベビーブームにより世代人口も多かったことから、就職氷河期に職に就けなかったり、正社員になれなかったりした人と、問題なく就職できた人とで年収や貯蓄に差が生じていると考えられます。
なお、就職氷河期による就職難は、年収や貯蓄だけでなく「年金」にも影響が出てくる可能性があります。
公的年金の1つである厚生年金は加入期間が短かったり、年収が少なかったりすると、年金受給額が少なくなるケースがあります。
さらに非正規雇用の場合は厚生年金に加入できていない可能性もあるため、生活するために十分な年金を受け取れない可能性があるのです。
このことから、自身の年金額を事前に確認し、今のうちから年金だけに頼らない老後資金対策をしておくことが大切になるといえるでしょう。
5. 50歳代からでも遅くない!今から老後資金の準備をしておこう
本記事では、50歳代単身世帯の平均年収や平均貯蓄額について紹介していきました。
老後を目前としている50歳代単身世帯でも、約2世帯に1世帯は十分に貯蓄ができていないのが現状です。
新NISAといった資産運用の制度を活用しながら老後の貯蓄を行えば、50歳代からでも老後の貯蓄をある程度準備することは可能なため、老後資金の準備の選択肢の1つとして検討してみましょう。
また、ご自身が将来受け取れる年金額を確認することは、「具体的に老後どのくらいの予備資金が必要なのか」をシミュレーションする際に大切となります。
この機会に自分の年金額を「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などで確認してみてはいかがでしょうか。
参考資料
太田 彩子