3. 【60歳代】厚生年金・国民年金による「平均的な月収」はいくら?

では、今の60歳代は年金をいくら受給しているのでしょうか。年金額は毎年度改定されます。
厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額の例を見てみましょう。

2024年度の年金額の例

2024年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

3.1 2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額

  • 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
  • 厚生年金※:23万483円(+6001円)

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。

厚生年金はモデル夫婦となっており、1人分にすると16万2483円です。

また、厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、60歳代が2022年度末時点で実際に受給している年金の平均額は次のとおりです。

3.2 60歳代の厚生年金額

60歳代の厚生年金

60歳代の厚生年金

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:9万4853円
  • 61歳:9万1675円
  • 62歳:6万1942円
  • 63歳:6万4514円
  • 64歳:7万9536円
  • 65歳:14万3504円
  • 66歳:14万6891円
  • 67歳:14万5757円
  • 68歳:14万3898円
  • 69歳:14万1881円

※国民年金を含む

65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者となっています。

一般的な年金受給開始年齢である65歳以降をみると、年齢があがるにつれ平均月額が上がっています。平均で月額14~16万円台となっていることがわかるでしょう。

3.3 60歳代の国民年金額

60歳代の国民年金

60歳代の国民年金

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:4万2616円
  • 61歳:4万1420円
  • 62歳:4万3513円
  • 63歳:4万3711円
  • 64歳:4万4352円
  • 65歳:5万8070円
  • 66歳:5万8012円
  • 67歳:5万7924円
  • 68歳:5万7722円
  • 69歳:5万7515円

65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者となっているため受給額は低い傾向にあります。

65歳以降でみると、平均で月5万円台となりました。厚生年金ほどには年齢差がないようです。

年金はシニア生活の収入の柱といえますが、一本で生活費すべてをまかなうのはやや厳しいといえるかもしれません。多くの方が貯蓄を切り崩しての老後生活となるでしょう。

4. 2024年は計画的に貯蓄しよう

これまで60歳代・二人以上世帯の「貯蓄非保有の割合」と平均・中央値を確認してきました。

確実に貯蓄を貯めていくには、毎月の給料や収入から一定額を先に貯蓄し、残りのお金で生活していく「先取り貯金」が効果的です。

先取り貯金にはさまざまな種類があり、預貯金だけでなく積立投資もその一つとなります。
2024年は新NISAスタートの年。

新NISA

新NISA

出所:金融庁「新しいNISA」をもとにLIMO編集部作成

貯蓄の一部に、新NISA制度を利用して積立投資をはじめるのも選択肢の一つとなるでしょう。

資産運用となればリスクがあるので、事前の情報収集や勉強が重要となります。

これを機に、2024年のご家庭に合った貯蓄方法について考えてみてはいかがでしょうか。

4.1  【参考】60歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:21.0%
  • 100万円未満:5.9%
  • 100~200万円未満:4.5%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:3.0%
  • 400~500万円未満:1.9%
  • 500~700万円未満:7.2%
  • 700~1000万円未満:6.7%
  • 1000~1500万円未満:6.8%
  • 1500~2000万円未満:5.4%
  • 2000~3000万円未満:9.5%
  • 3000万円以上:20.5%

平均:2026万円
中央値:700万円

参考資料

荒井 麻友子