2. 65歳までに貯蓄3000万円以上を達成するためには?
前章で年代別における「貯蓄3000万円以上」の達成割合について見ていきましたが、老後生活をスタートさせているであろう60歳代や70歳代でもその割合はたったの2割となっています。
このことから、老後生活までに貯蓄3000万円を達成させるためには、なるべく早く貯蓄や資産運用を始めることが大切であるといえます。
では、資産運用を利用して、年金受給の開始年齢である65歳までに貯蓄3000万円を達成するためには、毎月どのくらいの金額が必要なのでしょうか。
本章にて、65歳までに貯蓄3000万円を達成するための積立条件を確認していきましょう。
なお、今回のシミュレーションにおける年率は3%とします。
2.1 55歳から資産運用を始めた場合
55歳から10年間、年率3%で資産運用を行う場合に、3000万円に到達するために必要な毎月の積立金額は「21万4682円」となりました。
内訳は元本が2576万2000円、運用利益が423万8000円、合計で3000万円となります。
2.2 45歳から資産運用を始めた場合
45歳から20年間、年率3%で資産運用を行う場合に、3000万円に到達するために必要な毎月の積立金額は「9万1379円」となりました。
内訳は元本が2193万1000円、運用利益が806万9000円、合計で3000万円となります。
10年間と20年間で運用収益を比較すると、20年間の方が運用収益比率が高い傾向があります。
これは、複利の効果が働いて、投資期間が長いほど元本が少なくても、時間の経過とともに収益が増加するためです。
つまり、投資期間が長ければ長いほど、複利の効果でより大きく資産を増やすことができるため、長期的に投資することが重要といえます。
3. 早いうちから老後資金の準備をしておこう
本記事では、各年代における貯蓄3000万円の達成割合について紹介していきました。
貯蓄3000万円を達成している割合は、老後生活をスタートさせているであろう60歳代・70歳代においても約2割となっており、多くの人が達成できていないのが現状です。
貯蓄3000万円という大きな金額をすぐに貯めることは難しいため、なるべく早いうちからコツコツと貯蓄していくことが大切です。
その際に、資産運用を活用しながら貯蓄をすれば、複利の効果により元本が少なくても3000万円を達成しやすくなるため、生活に余裕がある場合は利用の検討をしてみてはいかがでしょうか。
留意点として、資産運用を行う以上、少なからずリスクが伴います。
知識を身につけ、少額から始めるといったリスクヘッジをしながら、自分に合った方法で資産運用を行うことが肝心です。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
太田 彩子