4. 70歳代「おひとりさま世帯」の平均貯蓄額はいくら?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、70歳代・単身世帯の貯蓄は以下の通りでした。
- 金融資産非保有:26.7%
- 100万円未満:5.8%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:4.1%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.6%
- 700~1000万円未満:5.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.3%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:17.3%
70歳代の貯蓄額の平均は1529万円で、中央値は500万円です。
平均値は一部の大きな値に引っ張られやすい傾向にあるため、実態よりも大きな値が出てしまうこともあります。
そのため、実態に近いのは中央値である500万円であるといえるでしょう。
「3000万円以上」という方が17.3%、金融資産非保有という方が26.7%となっています。
5. 70歳代「二人以上世帯」の平均貯蓄額
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
平均は1757万円、中央値は700万円となり、おひとりさま世帯よりも多くなりました。
また、3000万円以上の世帯は19.7%、貯蓄ゼロの世帯は19.2%と、ほぼ同数となりました。
資産がある世帯とない世帯は二極化しているようです。資産の取り崩しが進み、なおかつ年金収入が少ない世帯にとって、現在行われている7万円・10万円の給付はありがたいといえるでしょう。
6. 住民税非課税になるのに必要な手続きはない
「自分は住民税非課税世帯に該当するかもしれない」と思ったとき、何か手続きが必要なのか気になる方もいるでしょう。
結論から言うと、住民税非課税世帯になるために特別な手続きは必要ありません。
前年中の収入をもとに自治体が住民税を計算しているため、非課税になれば自治体が把握できるからです。
ただし、所得の申告ができていなければ正しく計算できていない場合もあるため、確定申告や住民税申告はきちんと行いましょう。
また、各種給付金も対象者には自動的に振り込まれることとなっていますが、一部で手続きが必要なケースがあります。
通知書には必ず目を通すようにし、不明点があれば自治体窓口に相談しましょう。
7. まとめにかえて
非課税はありがたい制度ですが、言い換えると収入が少ない人に当てはまるということでもあります。収入が少ないということは老後の生活にも支障がでてきます。
大事なのは「非課税に該当して給付金の対象になる」ということではなく、「ご自身の望む生活ができるか」というところを忘れてはいけません。
効率を求めるのであれば情報が必要ですので、皆さんが望む生活をより効率よくするための情報の一部と思っていただければと思います。
参考資料
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 総務省「個人住民税」
- 大阪市「個人市・府民税が課税されない方」
- 内閣府「物価・賃金・生活総合対策本部(第8回)議事次第」2023年3月22日
- 板橋区「住民税 よくある質問」
- 内閣府「新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年12月1日」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
渡邉 珠紀