厚生労働省が公表した「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、「1人平均賃金の改定率」は3.2%となりました。
これまでに比べて大幅な改定率となっています(グラフ参照)。
統計では上記のとおりですが、個人でみると物価上昇が進む中でなかなか賃上げを実感できず、貯蓄が進まないという世帯も多いのではないでしょうか。
貯蓄額の目標を立てる際に目安となるのが、同年代の貯蓄額です。
自分と同年代の周囲がどれくらい貯蓄を保有しているかを知ることで、具体的な貯蓄の目標金額を決めやすくなるでしょう。
今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、50歳代二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。実は、「貯蓄100万円未満」という世帯も少なくないことがわかっています。
1. 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満は何パーセントか
50歳代・二人以上世帯で「貯蓄100万円未満」の人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、50歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄1円以上~100万円未満の割合
- 9.1%
1.2 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄ゼロも含む100万円未満の割合
- 36.5%
1.3 【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1147万円
- 中央値:300万円
貯蓄100万円未満は9.1%。貯蓄ゼロ世帯も含めると、なんと36.5%にものぼります。
一方、貯蓄3000万円以上という世帯は11.2%いるようです。貯蓄がある世帯にはたくさんお金があるという現状ですから、保有世帯に限定した金額も確認しましょう。
2. 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄保有世帯のみの平均と中央値はいくらか
次に、同調査より貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきましょう。
2.1 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄100万円未満の割合
- 12.5%
2.2 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円以上の割合
- 15.5%
2.3 【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1611万円
- 中央値:745万円
貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、貯蓄3000万円以上は15.5%。100万円未満世帯は12.5%となりました。
平均は1611万円、中央値は745万円と、大幅にアップしています。
では、50歳代の世帯は手取り収入からどれほど貯蓄に回しているのでしょうか。
次章にて「手取り収入からの貯蓄割合」についても確認しましょう。