2024年3月22日公表の消費者物価指数(2024年2月分】は106.9。前年同月比で2.8%の上昇です。

物価上昇が進む中、賃金はなかなか上がらず苦しい世帯も多いでしょう。

厚生労働省の資料によると、母子世帯の平均所得は328万2000円。このうち雇用者所得の平均は262万4000円です。

この場合、将来の年金はいくら受け取れるのかシミュレーションしてみましょう。

記事後半では、年金を増やす方法や年金以外の老後対策について解説します。

1. 母子家庭の平均所得はいくらか

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、母子世帯の平均所得は以下のとおりです。

 

  • 総所得:328万2000円
  • うち稼働所得:270万6000円
  • うち雇用者所得:262万4000円

また同調査では、母子世帯の75.2%が「生活が苦しい」と回答しています。

なお、児童のいる世帯で「生活が苦しい」と回答した割合は54.7%でした。

では、生涯の平均年収が262万だった場合、老後の年金はいくらが目安となるのでしょうか。

※同調査において、雇用者所得は「世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額をいい、税金や社
会保険料を含む。」と定義されています。本記事では年収と置き換えて年金額を試算します。

2. 年収262万円の人が受け取る厚生年金は月額約11万6500円

ここでは実際に、年収262万円の人が受け取る厚生年金をシミュレーションしてみます。

2.1 厚生年金の受給額の計算式

老齢厚生年金は、次の計算式により決定されます。

報酬比例部分= A + B

  • A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
  • B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

 

報酬比例部分(従前額)=( A + B )× 1.014

  • A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.5/1000×2003年3月までの加入期間の月数
  • B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.769/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

上記のどちらかの式によって算出されます。また加入の時期によって計算式が異なるため、ここでは2003年4月以降に加入したとして試算します。

2.2 試算条件

  • 年収262万円から平均標準報酬額は21万8300円とする
  • 2003年4月以降に厚生年金に38年間加入した
  • 国民年金は40年間未納なし

2.3 厚生年金額をシミュレーション

老齢厚生年金額=58万2400円

さらに老齢基礎年金(国民年金)の満額約81万6000円を足すと、合計で約139万8400円となります。

月額にすると約11万6500円です。

実際には38年間を通して年収262万円であるケースはまれですが、一つの目安となるでしょう。

※昭和21年4月1日以前に生まれた方については、給付乗率が異なります。

※年収÷12で仮の平均標準報酬月額を算出しています。実際には「平均標準報酬月額」「平均標準報酬額」を用いるため、厳密には年収と異なります。

※あくまでも概算のため、実際の受給額とは異なるケースがあります。

※老齢基礎年金は2024年度新規裁定者の基準額です。