自慢の彼氏「30歳金融機関勤務・年収1000万円」は将来も安泰なのか

フィンテックの加速が金融業界を変える可能性。その影響とは

国税庁が2017年9月に発表した平成28年分の「民間給与実態統計調査」によれば、1年を通じて勤務したサラリーマンの1人当たりの平均給与は422 万円とされています。1000万円超を稼ぐ人になると約4%しか存在しません。

その一方で、若くして信じられないほど高い年収を手にする人がいます。たとえば金融機関勤務などはその代表格といえるでしょうか。実際に、30歳手前で年収1000万円を稼ぐ人もいるといわれます。

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「金融機関勤務・30歳・年収1000万円」。もしこのような人が彼氏だったらきっと将来も安泰だ、そう考える人も多いでしょう。この若さでこの年収を稼ぐ人は、それほど珍しい存在ともいえます。

一方で、昨年はメガバンク各行から大規模な構造改革案が次々と打ち出されるなど、金融業界は今後どうなるのかと思う人もいるかもしれません。

今回は、そもそも彼らがこのような高い年収をもらえるのはなぜか、そして彼らはこれからもその水準をキープできるのかといった点について考えてみたいと思います。

金融機関勤務なら30歳でもう年収1000万円!?

金融業界では、一般的にはまだまだ若手と呼ばれるような年代にも関わらず、年収1000万円を稼ぐことができるといわれます。金融機関といっても銀行、証券、保険など様々な業態がありますが、一時期は最も早く年収1000万円に到達するのは保険、たとえば生命保険や損害保険だといわれていたようです。

実際に生命保険会社での勤務経験がある男性は次のように話します。

「私が入社した頃は、入社5年ほどで平社員から昇進して役職がつくと、この時点で年収はすでに1000万円近くなっていました。もちろん入社時の年齢や、最終学歴などでも平社員から役付きへの昇進タイミングは異なりますが、30歳を前に残業代なども含めた年収が1000万円というのも夢ではありませんでしたね。もっとも福利厚生が充実していたので、それ以上の満足感もあったかもしれません」

金融業とはどのような業種なのか

では、若くして高年収になるといわれる金融業とはどのような業種なのでしょうか。まず注目すべきは、金融業は「規制業種」だという点です。規制業種における新規参入は限られるため、他の業種と比べればその分競争は緩くなりがちだといえます。

新規の競合企業が次々と現れるということはあまり考えられないため、金融業のプレーヤーは既存の競合企業の具体的な戦略をイメージしながら事業を行うことができます。また、マクロの経営環境を大きく読み間違えたり、個別の貸出先、投資先での大きな損失がなければ利益を計上できるモデルといえます。

高年収を生み出す背景は金融業のビジネスモデルにもあり?

規制業種である金融業界の社員の年収が高くなるのは、そのビジネスモデルにも秘密があります。

たとえば銀行であれば、預金を預かり、その預金を貸出・運用します。貸出に伴うリスクをとるとはいえ、金利を受け取ることができます。最近では投資信託の販売手数料なども収益源の一つです。

銀行業で利益を上げるためには、預金を獲得することはもちろん、貸出先を開拓したり、高い金利の取れる貸出先でリスクを管理しながら貸出残高を増やすことが必要です。低金利下において運用は難しい環境にありますが、低い金利で資金を調達し、貸出や運用で利鞘をとったり投資リターンを追求するという原則は変わりません。

一時のような不良債権処理に追われるような状況では、銀行全体の収益が悪化してしまいますが、リスク管理が適切に行われているという前提であれば利益を得ることができるのです。

また、貸出業務では、貸付金額に応じて担当者を増やさなければならないということもありません。場合によっては担当者1人で大きな資金の貸付もできるため、労働集約的な産業ではないともいえます。

これは生命保険会社の資産運用の現場も同様です。何兆円、何十兆円という資金を株式、債券、不動産、貸出、オルタナティブ資産などの部門で運用しますが、金額が多くなったからといって、必ずしもそれに応じて人員を増やす必要はないのです。

このように、運用する資産があり、適切に投資機会を見出し、リスク管理をすることができれば、金融機関は1人当たりの利益をしっかりと出すことができます。つまり金融機関の従業員の年収が高い理由には、ビジネスモデルが関係しているといえるでしょう。

フィンテックの台頭はその将来を脅かすのか

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LIMO編集部

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