これら4つのETFはブロックチェーン企業への投資環境を整えるという観点で一致していますが、構成銘柄の中には業績のごく一部にしかブロックチェーンが反映されていない企業も少なくありません。

その結果、テクノロジー・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLK)との類似性が指摘されています。XLKとBLCNの日次ベースのリターンの相関係数は0.95と非常に高い正の相関を示しており、他の3つのETFとXLKとの相関もそれぞれ0.92~0.94となっています。

XLKの経費率は0.14%、BLCNの経費率が0.68%であることを考慮すると、果たしてBLCNに投資妙味があるのかどうかはよく吟味する必要がありそうです。

また、4つのETFが似通った銘柄を持ち合っている点も気がかりです。たとえば、4つのETFのすべてでインテルが保有銘柄のトップ10に入っており、IBMやマイクロソフトも3つのETFでトップテン入りしています。

この点を簡単に数字で確認すると、4つのETFから2つを選ぶ組み合わせは6つありますが、すべての組み合わせで値動きの相関係数は0.90以上となっています。すなわち、4つのETFはそれぞれが独自色を出そうと知恵を絞ってはいるのですが、結果的にはどれを買っても大差がなく、分散効果も小さいのは否めないところです。

最後に、少々うがった見方となりますが、ビットコインETFにSECから待ったがかかる中、仮想通貨フィーバーで知名度が上がったブロックチェーンでてっとり早く2匹目のどじょうを狙おうとの思惑も見え隠れしています。

というのも、最近ではブロックチェーンを利用したプロジェクトのとん挫が目立っているからです。

米金融業界では、数年前からブロックチェーンを利用した試験的なプロジェクトがいくつも立ち上がっています。継続しているプロジェクトもありますが、コストや業界の準備不足などさまざまな理由でプロジェクトからの撤退が相次いでいるのも事実です。

ブロックチェーンが夢のようなテクノロジーとして現実離れした評価を受けている恐れもあり、夢が実現するまでにはもう少し時間が必要なのかもしれません。

LIMO編集部