2024年3月28日、新年度予算成立を受けて岸田総理が記者会見を行い決意を語りました。
その決意の中には、「物価上昇を上回る賃上げを定着させる」という内容のものもあり、本当に賃上げがされるのか?と興味を持った現役世代の方は多いのではないでしょうか。
最近は、このように現役世代の賃上げに関する話題が多いですが、世間の声の中には就職氷河期世代を見捨てたままだという声も少なからず聞こえてきます。
その声を受けて、国家公務員は令和5年から2年間、地方公務員は令和6年まで就職氷河期世帯を積極的に採用する方針となっています。
実際、2023年度国家公務員中途採用試験では、就職氷河期世代の方165名が合格と発表されています。
公務員といえば、給与も安定しており、定年時にはまとまった退職金を受け取れることから安泰だとも言われています。この機会に中途採用で公務員を目指す方も少なくないでしょう。
では、公務員に転職して定年まで働いた場合、どのくらいの退職金を受け取れるのでしょうか。今回は公務員と一般企業の退職金事情を比較していきながら老後に対する備えについて考えていきたいと思います。
1. そもそも「国家公務員」と「地方公務員」の違いとは?
公務員は、国や自治体に勤務し、営利を目的とせず社会作りを仕事としている人を指し、「国家公務員」と「地方公務員」に区分されています。
それぞれの具体的な職種は下記のとおりです。
- 国家公務員:自衛官、裁判官、検察官、国会議員、大使
- 地方公務員:教員、役場職員、警察官、消防官、自治体議員
2022年度時点で、公務員全体335万3000人のうち国家公務員は約58万9000人となっており、全体の17.6%を占めていました。
地方公務員の場合は、勤務する都道府県や市町村によって給与水準や退職金が異なるため、今回は国家公務員の退職金について紹介していきます。
次章からは、さっそく国家公務員の定年退職金の平均受給額をチェックしていきましょう。後半では、一般企業の退職金とも比較しているので、参考にしていただければ幸いです。