4. 6月14日支給の年金から「標準夫婦」は約46万円の支給へ【2024年度分】
2024年度、年金額は以下のように改定されることが決まっています。
- 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分※1)
- 厚生年金:23万483円(夫婦2人分※)
※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万7808円
※2平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
標準的な夫婦の年金額は23万483円で、前年比6001円のアップです。
これにより、一度に支給される金額は夫婦合計で46万966円に。さらに増えることがわかりました。
とはいえ、こちらの年金は「夫婦2人分」「2ヶ月分」である点に注意しましょう。
さらに、年金からは税金や保険料が天引きされます。実際に振り込まれる金額はもっと少なくなる点に注意が必要です。
実際の振込額は、6月に送付される年金振込通知書等で夫婦ともに確認しておきましょう。
4月や6月に支給される年金が夫婦合計で「約45万円」「約46万円」と聞くとうらやましく思えますが、あくまでも2ヶ月分の年金です。
月額あたり・1人あたりにすると、必ずしも余裕のある水準とは言い切れません。
5. 厚生年金と国民年金の実際の支給額は
6月13日支給分から年金はさらに増額となりますが、それでも年金だけで生活できるシニアは少数派です。
厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金の平均的な受給額は以下のとおりです。
5.1 厚生年金(老齢厚生年金)の受給額
〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金の金額を含む
5.2 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
1回あたりの年金額を見ると高額に思えますが、実際には年金だけで暮らすことは難しいかもしれません。
平均額が全員にあてはまるわけではないので、ねんきん定期便やねんきんネットなどでしっかり目安額を把握するようにしましょう。
6. 老後の対策を考えよう
年金の見込額を初めて見る方は、「意外に少ない・足りない」と感じるかもしれません。不足する場合は、早急に対策を始めましょう。準備期間は長いほど有利になるからです。
とはいえ、老後対策とは何も貯金を増やすだけではありません。
- 働き続けるためにスキルを磨く
- 健康を維持するために健診を受け続ける
- 老後も資産運用を活用し、資産が減るスピードをゆるやかにする
- 厚生年金の加入期間を伸ばして年金額をあげる
- 不動産収入などの不労所得を得る
- iDeCoや個人年金保険などで独自の年金を作る
など、対策方法は多岐に渡ります。組み合わせることでそれぞれのデメリットをカバーする効果もあるでしょう。
どれが自分にあっているのかも含め、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- YouTube 厚生労働省「 (日本年金機構)公的年金はみんなの強い味方 ~第1話 老後の暮らしに安心を~ 」
太田 彩子