2023年10月28日の政府与党政策懇談会において、児童手当の拡充開始を当初の2025年2月から2ヶ月前倒しし、2024年12月から拡充されることが表明されました。
実際に児童のいる世帯にとっては、少なからず助けとなることでしょう。新年度を迎えるにあたって「児童手当」制度への注目度が高まっています。
しかし、子どもを育てる世帯が抱えるのは「不安」のようです。友人世帯の収入や支出、貯蓄事情を知らない方がほとんどでしょう。周囲の「子どもの教育費」はどんな状況なのでしょうか。
今回は、最新の意識調査結果をみたあと、前倒しが決定した児童手当の具体的な内容をチェックしていきましょう。
1. 子育て世帯の「教育資金」、不安のワケは?いくら備えている?
ソニー生命保険株式会社が、今回で11回目(※2014年~2016年は「子どもの教育資金と学資保険に関する調査」として発表)となる「子どもの教育資金に関する調査2024」を実施。
大学生以下の子どもがいる世帯の抱えるお金事情が浮き彫りとなりました。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女
- アンケート母数:1000名(全国)
- 実施日:2024年1月31日~2月1日
- 調査協力会社:株式会社ネットエイジア
- リリース公開日:2024年3月12日
1.1 「子どもの教育資金に不安を感じる」83.5%、そのワケは?
全回答者(1000名)に子どもの将来、教育資金の不安を感じるか聞いたところ「不安を感じる」は83.5%、「不安を感じない」は16.5%となりました。
子どもの就学段階別にみると「不安を感じる」と回答した親の割合が最も高かったのは、中高生の親(87.3%)。そして未就学児の親(86.3%)が続きました。
また、子どもの教育資金に不安を感じる親(835名)に不安の理由を聞くと「物価の上昇」(55.7%)が突出して高くなりました。物価上昇を受け、今後の教育費の増加に懸念を抱く親が多いのではないでしょうか。
次いで高い理由は「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」(35.2%)、「収入の維持や増加に自信がない」(33.5%)、「社会保険料の負担増」(27.8%)、「病気やケガで収入が途絶えるリスク」(23.1%)でした。
1.2 子どもの進学費用の備え:平均支出額「月1万6942円」
高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(752名)を対象とした質問をみていきましょう。
子どもの進学費用のための備えとして、一人あたり月々いくらくらい支出をしているか聞いたところ「0円」(30.6%)に最も多くの回答が集まったほか「1万円~1万4999円」(17.6%)、「2万円~2万9999円」(17.4%)、「3万円以上」(19.3%)にも回答が集まりました。
すべてをならした平均月額は、1万6492円でした。
平均支出金額を過去の調査結果と比較すると、2022年(1万5690円)、2023年(1万8372円)。増加傾向から一転、今年は1430円の減少となりました。
物価高による実質賃金の減少を受け、家計の厳しさが増しているという実態が垣間見える結果となりました。
一方、小学生から社会人になるまでの「教育資金」がいくら必要になるかを聞いた質問から算出した平均予想金額は1439万円。調査開始以来の最高額を再び更新しています。
このギャップを解消するべく、注目されているのが「児童手当」の制度です。拡充される予定の内容をおさえておきましょう。