2024年3月21日にUtilly(ユーティリー)が公表した「新NISAの利用に関する調査」によると、新NISA制度の認知率は77.1%にものぼり、そのうち41.9%が「制度を利用している」と回答しました。
高い認知率を誇る新NISAですが、周囲には「毎月5万円」などの高額投資をしている人もいるかもしれません。一方で、家計に負担がかからない程度で「毎月1万円ずつ」という人もいるでしょう。
では、「月1万円」の投資では少ないのでしょうか。本記事では、月5万円の投資と月1万円の投資で将来いくらの資産を築くことができるのかシミュレーションします。
投資年数ごとにシミュレーションするので参考にしてみてください。
1. 新NISAとは
NISA(Nippon Individual Savings Account)とは、投資による利益に対して税金がかからなくなる制度です。
これまでのNISA(少額投資非課税制度)とは異なり、2024年からは「新NISA」として大幅な変更が加わりました。
具体的な変更点は、年間に投資できる金額の増加と、非課税の保有期間の延長です。つまり、新NISAではより多くのお金で、長期間投資ができるようになったのです。
これにより今までよりも大きな利益を非課税で享受できるようになりました。
個人投資家にとってはより魅力的な制度となり、資産形成の機会が広がると期待されています。
- 非課税保有期間:無期限化
- 口座開設期間: 恒久化
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」:併用可能
- 年間投資枠: 成長投資枠「年間240万円」・つみたて投資枠「年間120万円」
- 非課税保有限度額:全体で1800万円(成長投資枠:1200万円※枠の再利用可能)
新NISAで老後の資金を積み立てるという人も少なくありません。
では、新しくなったNISAの「つみたて投資枠」で資産運用を始める場合、「月5万円」と「月1万円」ではいくらぐらい差が出るのでしょうか。
想定利回りごとにシミュレーションしてみましょう。
※シミュレーション上、利回りが安定していることを前提とした結果となっていますが、実際には利回りはスタート時点で確定されるものではありません。損失が出る年もあることをご理解いただいた上でご覧ください。
2. 年率3% 毎月5万円を20年間投資したらどうなる?
では、さっそく月5万円の積立投資を20年間した場合に将来いくらの資産が築けるのかをシミュレーションしてみましょう。なお、年利3%の運用を前提とします。
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
- 運用結果:1641万5000円
- 運用利益:441万5000円
- 投資元本:1200万円
*投資の運用利回りは年率3%で計算
*新NISAで非課税となるのは元本が1800万円の部分まで
月5万円の積立投資を続けた場合、20年後には約1642万円もの資産を築くことが可能です。
NISAの場合は運用益が非課税になりますから、シミュレーション通りに運用成果が出た場合は利益をこのまま受け取ることができます。
運用利回りは投資商品や経済状況などによって変動しますが、年利3%というのは比較的安定した運用となっているため、上記のシミュレーションは現実的にも考えられる結果といえるでしょう。