4. タンス預金や投資信託は?特養入所で「資産要件の対象となる資産」を知ろう
具体的な資産要件について確認しておきましょう。対象となる資産は、以下の通りです。
- 預貯金(普通・定期)
- 有価証券(株式・国債など)
- 金・銀(積立購入を含む)など
- 投資信託
- 現金(いわゆるタンス預金)
市区町村の役所に負担限度額認定の申請をする際には、通帳や有価証券の口座残高のコピーを提出します。ローンなどの負債がある場合は預貯金などの合計金額から差し引かれます。
申請時に虚偽の申告を行い、不正に負担軽減を受けた場合は、それまで受けた負担軽減額に加え最大2倍の加算金(負担軽減額と伴わせ最大3倍の額)を納付することになります。
5. 【負担限度額認定制度】対象となる「介護保険施設・サービス」
次に、負担限度額認定制度の対象となる施設・サービスを確認しましょう。
対象となるのは、以下の介護保険施設とサービスです。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護医療院(介護療養型医療施設)
- 地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)
- ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)
これらの介護保険施設に入所、またはショートステイを利用したときに負担限度額認定制度の適用が受けられます。
なお、介護保険施設は、ほかの施設より安い費用で利用できるため、入所希望者が多く、申し込みをしてもすぐに入所できないのが実情です。
5.1 有料老人ホームなどの民間施設は対象外
民間施設は、負担限度額認定制度の対象外です。具体的な施設の種類は以下の通りです。
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- 小規模多機能型居宅介護
- 看護小規模多機能型居宅介護
- 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
民間施設は、介護保険施設よりも短い待機期間で入居できる場合が多く、負担限度額認定の対象外であっても、比較的安い料金で利用できる施設もあります。
介護保険施設以外の入居先として検討してみてもよいでしょう。
6. まとめにかえて
住民税非課税世帯の方が特別養護老人ホームへ入所する場合、一定額以上の資産や収入がある方は、負担限度額認定制度の対象外となるため、食費と居住費の減免を受けることができません。
このようなケースでは、特養だけを入居先として検討するのではなく、比較的安価な費用で利用できる有料老人ホームも選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
中谷 ミホ