4月15日は2ヶ月ぶりの年金支給日となります。
公的年金は老後の大きな収入源となるため、年金生活者にとって4月は嬉しい支給月でもあります。
そんな公的年金ですが、額面の金額が全て受け取れるわけではなく、税金や社会保険料が「天引き」された状態で私たちのもとに振り込まれるのをご存知でしょうか。
本記事では、4月支給の年金から天引きされる税金や社会保険料について詳しく紹介していきます。
公的年金の仕組みや、最新の公的年金の平均受給額についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. 公的年金「厚生年金と国民年金」のしくみ
まずは公的年金である「厚生年金」と「国民年金」の違いやしくみについておさらいしておきましょう。
日本の公的年金は「厚生年金と国民年金」の2種類が存在し、これらは2階建て構造になっているのが特徴です。
国民年金は1階部分であり、日本に住む20〜60歳未満の人が原則加入対象となります。
保険料は一律であり、40年間保険料を納めることで、老後に国民年金を満額受給することが可能です。
一方で厚生年金は2階部分であり、主に会社員や公務員が加入対象となります。
厚生年金の場合は、現役時代の報酬に応じて保険料が変わるため、年収や加入期間によって老後に受け取れる厚生年金の金額が変わります。
2. 厚生年金・国民年金の受給額はいくら?
国民年金と厚生年金は保険料に違いがあることや2階建て構造になっていることから、どちらに加入しているかによって老後に受け取れる年金額が大きく変わります。
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金と厚生年金それぞれの平均受給額は、下記のとおりです。
【国民年金】
- 男女全体平均月額:5万6316円
- 男性平均月額:5万8798円
- 女性平均月額:5万4426円
【厚生年金(国民年金を含む)】
- 男女全体平均月額:14万3973円
- 男性平均月額:16万3875円
- 女性平均月額:10万4878円
それぞれの受給割合も見ていきましょう。
2.1 国民年金の受給割合
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の受給割合は下記のようになっています。
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
国民年金は男女ともにボリュームゾーンが6〜7万円未満となっており、平均月額に男女差はあまりないことがわかります。
なお、国民年金のみを受給するのは「自営業者」や「専業主婦」などが挙げられます。
全体の平均月額が5万円ほどであることからも、年金だけで生活するにはハードルの高い金額といえるでしょう。
2.2 厚生年金の受給割合
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金を含む)の受給割合は下記のようになっています。
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
厚生年金の場合、ボリュームゾーンが2つにわかれており、「17~18万円」、「9~11万円」の人が多いようです。
前述したように、厚生年金は現役時代の年収や加入期間によって受給額が大きく変わるため、結婚や出産を機に雇用形態を変えることが多い女性のほうが、厚生年金の平均額が少ない傾向にあります。