2. 【年金一覧表】厚生年金・国民年金「60歳代・70歳代・80歳代」の平均月額
続いて、現在のシニアがどのくらい年金を受給しているのか、厚生年金・国民年金それぞれの平均月額を見ていきましょう。
本章では、60歳代・70歳代・80歳代に分けて、平均月額を紹介していきます。
なお、本章で紹介する厚生年金の平均月額は、全て国民年金を含む金額となっています。
2.1 【60歳代】厚生年金・国民年金の平均月額
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」における、60歳代の厚生年金・国民年金の平均月額は下記の結果となりました。
【60歳代 厚生年金の平均月額】
- 60歳:9万4853円
- 61歳:9万1675円
- 62歳:6万1942円
- 63歳:6万4514円
- 64歳:7万9536円
- 65歳:14万3504円
- 66歳:14万6891円
- 67歳:14万5757円
- 68歳:14万3898円
- 69歳:14万1881円
【60歳代 国民年金の平均月額】
- 60歳:4万2616円
- 61歳:4万420円
- 62歳:4万2513円
- 63歳:4万3711円
- 64歳:4万4352円
- 65歳:5万8070円
- 66歳:5万8012円
- 67歳:5万7924円
- 68歳:5万7722円
- 69歳:5万7515円
2.2 【70歳代】厚生年金・国民年金の平均月額
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」における、70歳代の厚生年金・国民年金の平均月額は下記の結果となりました。
【70歳代 厚生年金の平均月額】
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
【70歳代 国民年金の平均月額】
- 70歳:5万7320円
- 71歳:5万7294円
- 72歳:5万7092円
- 73歳:5万6945円
- 74歳:5万6852円
- 75歳:5万6659円
- 76歳:5万6453円
- 77歳:5万6017円
- 78歳:5万5981円
- 79歳:5万5652円
2.3 【80歳代】厚生年金・国民年金の平均月額
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」における、80歳代の厚生年金・国民年金の平均月額は下記の結果となりました。
【80歳代 厚生年金の平均月額】
- 80歳:15万1109円
- 81歳:15万3337円
- 82歳:15万5885円
- 83歳:15万7324円
- 84歳:15万8939円
- 85歳:15万9289円
- 86歳:15万9900円
- 87歳:16万732円
- 88歳:16万535円
- 89歳:15万9453円
【80歳代 国民年金の平均月額】
- 80歳:5万5413円
- 81歳:5万5283円
- 82歳:5万7003円
- 83歳:5万6779円
- 84歳:5万6605円
- 85歳:5万6609円
- 86歳:5万6179円
- 87歳:5万6030円
- 88歳:5万5763円
- 89歳:5万5312円
現在の年金受給開始年齢である65歳以降の年金受給額をみると、国民年金に大きな金額差はありません。
一方で厚生年金では年齢があがるにつれて平均月額がわずかに上昇している傾向にあります。最も平均額が高いのは、87歳での16万732円でした。
厚生年金は、現役時代の年収や加入期間が受給額に大きく関与します。さらに受給額に用いられる乗率は改定されており、時代とともに受け取れる金額に差が生じていると考えられます。
また、60歳から64歳の人たちの受給額が少ないのは「繰上げ受給」が影響しているのだとうかがえます。
「繰上げ受給」は、早めに年金を受給したい人が、原則の受給開始年齢よりも年金を早く受け取れる制度です。
繰上げ受給を選択した場合、最大で24%も年金が減額されることから、65歳から受給を開始した受給者よりも受け取れる年金額が少なくなるのです。
なお、繰上げ受給を選択した場合は、減額率が一生涯変わらないため、慎重に選択できると良いです。
反対に、受給開始を遅らせる「繰下げ受給」も近年では注目されており、公的年金を65歳で受け取らずに、66歳〜75歳までの間に繰り下げることで、受け取れる年金額を増額できます。
75歳まで繰下げた場合は最大で「84%」も増額することができ、繰上げ受給と同様に増額率は一生涯変わることはないため、他の人よりも年金を多く受け取れるようになります。
人生100年時代と言われる現代においては、先を見据えてこのような「制度の利用」だけでなく、「老後の就業」なども検討できると良いでしょう。
3. 早いうちから老後の備えをしておこう
本記事では、60歳代・70歳代・80歳代それぞれの厚生年金と国民年金の平均月額について紹介していきました。
本記事で紹介したように老齢年金は現役時代に加入していた年金タイプや年収、加入期間によって受け取れる年金額に個人差が見られます。
老後の備えの第一歩として、ご自身の受け取る年金タイプや年金受給予定額などを確認しておけると良いです。
これらは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認が可能なので、チェックしておきましょう。
ご自身の年金受給予定額を確認し「少ない」と感じた場合は、「貯蓄」「資産運用」などの年金以外の資金対策を検討できると良いです。
また、老後資金の準備以外にも、「私的年金の検討」や「老後も働き続けるか」なども考えておけると、より安心した老後生活に近づけるでしょう。
参考資料
太田 彩子