3. 約半数の女性が「定年まで働きたい」と回答

アサヒグループ食品株式会社の調査による「何歳まで働きたいか」という質問に対して、約半数の人が「〜60歳」「〜65歳」まで働きたいと回答しています。

約半数の人が多くの企業が定年とする年齢まで働く選択をしており、さらに12.4%の人が「生涯働き続けたい」と回答しています。

近年では働くシニアが増加傾向にあり、総務省の「統計からみた我が国の高齢者」によると、高齢者の就業率は、65〜69歳は50.8%、70〜74歳は33.5%と、いずれも過去最高となりました。

このように現代では「定年後も働くシニア」が増え続けており、その背景として「老後資金が十分でないこと」や「年金の受給額が少ないこと」が理由としてあるのでしょう。

4. 女性が老後に受け取れる平均年金月額はいくら?

高齢化が進む日本では、年金減少とともに働くシニアが増加傾向にあります。

「定年後はリタイアして老後は年金だけで悠々自適な生活を送りたい」と考えている人もいるかと思いますが、果たして老後に受け取れる年金はいくらくらいなのでしょうか。

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金と国民年金の男女別における受給割合は下記のとおりです。

厚生年金の平均月額(国民年金を含む)

厚生年金の平均月額(国民年金を含む)

出所:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

国民年金の平均月額

国民年金の平均月額

出所:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

女性の年金平均月額を見てみると、厚生年金で「約10万円」、国民年金で「約5万円」であり、受給割合のボリュームゾーンは厚生年金で「9〜10万円」、国民年金で「6〜7万」となっています。

国民年金は保険料が一律であることから、男女間で金額に差はあまりありませんが、厚生年金は年収や加入期間によって受給額に個人差が生じやすく、全体・男女間で差が大きくなっています。

女性が男性よりも厚生年金の平均月額が低い理由として、女性は出産や子育てを機に、フルタイムからパートや専業主婦になる人が多いことから、厚生年金の加入期間が短かったり、年収が減少したりすることが背景として考えられます。

上記の平均月額は、現役時代の収入と比較すると大幅に低くなっており、厚生年金・国民年金どちらにおいても、年金だけで生活していくにはやや心もとない金額といえます。

上記の平均月額をみて「少ない」と感じた方は、今のうちから老後資金の準備をしておけると安心でしょう。

5. 「老後に働く」以外の選択肢も作っておこう

本記事では「女性の働き方」や「働く目的」について、実態調査の結果をもとに詳しく紹介していきました。

はたらくシニアが増加傾向にある現代では、今後さらに高齢者の就労率が増加することが予想されており、実際に今回紹介した調査でも12.4%の人が「生涯働き続けたい」と回答しています。

老後も働くことで年金以外の収入の枠を増やせるメリットはありますが、現役時代とは違い、突然の病気や怪我などで働き続けることが困難になるリスクもあります。

そのため、「老後に働いて生活費を補填する」という選択肢以外にも、今のうちから備えをしておくことが大切です。

老後に備えて、「老後資金の貯蓄」や「私的年金の検討」などをしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

太田 彩子